大学生やサラリーマンなどにもおすすめの安いプリンターを紹介。1万円以下で購入できるプリンターの特徴や印刷の質、デメリットを踏まえて解説します。安いプリンターを選ぶ際のポイントや大学生ならチェックしたい機能も紹介します。コスパに優れた単機能プリンターと複合機、FAX付き複合機に分けておすすめモデルも紹介します。
安いプリンターの特徴とは
プリンターの価格相場
家庭用プリンターの価格は機種によって幅が非常に大きいです。安いプリンターは1万円以下で購入できますが、複合機のように高機能かつ高品質のプリンターになると10万円近いモデルもあります。各メーカーの人気モデルやボリュームゾーンから考えると、家庭用プリンターの価格相場は3万円前後になります。
安いプリンターはいくらか
プリンターの価格相場から考えると、1万円以下で購入できるプリンターは安いと言えます。単機能で大きさもコンパクトなモデルが多いですが、エプソンやキャノンといった大手有名プリンターメーカーも機種をラインナップしています。必要以上の機能は無くて良い、イニシャルコストを抑えられるという理由で学生やビジネスマン問わず人気を集めています。
印刷の質
印刷の質は、インクの色数によって決まります。インクの色数が多いほど、表現できる色彩の幅が広がりますので印刷の質は高くなります。安いプリンターに多いのは4色インクです。4色インクでも、写真のグラデーションなどにこだわらない限り、多くの人は気にならないレベルです。
4色インクに不満があれば6色インクを検討する方が良いですが、インク数が増えれば増えるだけプリンターの価格は高くなります。印刷の質について、それほどこだわりが無いという人は4色インクで不自由しないと思います。
安いプリンターのデメリット
1万円以下の安いプリンターはインク代が高い傾向があります。インクの消費が早く、ランニングコストで高く付いてしまうというケースもあります。プリンターにはインクジェットプリンターとレーザープリンターの2つの種類がありますが、安いプリンターの多くはインクジェットです。インクジェットプリンターはインクの使用量が多く、インクカートリッジの大きさが小さい為に交換頻度が高いです。よって、ランニングコストが高くなってしまう傾向にあります。
機種ごとのランニングコストについて、各メーカーのホームページでコストが計算されています。参考にチェックしてみて下さい。
安いプリンターの寿命
安いプリンターに関わらず、一般的にプリンターの寿命は3~5年程度と言われています。使用頻度や印刷枚数、メンテナンスのしかたによっても大きく変わりますが、目安として5年前後になります。
これは、国税庁が定める機器の耐用年数「法定耐用年数」で定めらています。プリンターの法定耐用年数は5年と定められていて、これとは別にメーカーが示す装置寿命も3~5年とされていることが多いです。アフターサポート期間も製造から5年としていることが多く、5年以上を過ぎると修理部品の在庫が無くなるようになります。
他にも総印刷枚数や総コピー数を規定して寿命の目安としていることもあります。ただ、印刷枚数やコピー枚数は人によって印刷頻度の差が大きいので、耐用年数と合わせて寿命を推定することが妥当と思われます。たとえ使用していなくても、プリンター内部のゴム部品やスポンジ部品は経年劣化します。その為、枚数だけでなく年数として考えるのも重要になるのです。
安いプリンターの選び方
単機能or複合機
プリンターを選ぶ際には、まず単機能か複合機のどちらにするかを決める必要があります。使用する目的によって単機能か複合機か変わってきますので、自分がプリンターを使う理由を明確にしましょう。
- 単機能 … プリント機能のみ
- 複合機 … プリント機能+コピー+スキャン+FAXなど
ハガキや年賀状を印刷する程度であれば、単機能でOKです。単機能は印刷しかできませんが、使用方法や操作がシンプルなので使いやすいというメリットがあります。
対して、住民票や免許証などの身分証明書のコピーや、書類のスキャンを取ることもあるのであれば複合機がおすすめです。また、FAXを使いたいという場合は複合機を選びましょう。ひと昔前までFAXは電話機と一体型が一般的でしたが、現在は複合機としてプリンターと一緒になっているものがほとんどです。
ただし、当然ながら複合機の方が単機能に比べて価格が高くなります。機能を減らせば本体価格は安くなります。予算と必要性を考慮して検討することをおすすめします。
ランニングコスト
プリンターに掛かるランニングコストのほとんどはインク代です。インク代はメーカー純正のものだと3,000円以上したりします。その為、プリンター本体を安く購入しても、インク代のランニングコストで後悔する場合があります。購入する前には、交換用のインク代だったり用紙代がどれだけかかるのかを十分に把握しておくことが重要です。
インクジェットプリンターはカートリッジ式のインクを使用していて、基本は無くなったインク色のみを個別に交換することができます。レーザープリンターはトナーという粉末式のインクを紙に付着させますが、定期的なトナー交換が必要になります。但し、インクジェットに比べて印刷できる枚数は多いので、大量にプリントする人はレーザープリンターがおすすめです。
染料インクor顔料インク
インクジェットプリンターを選ぶ場合、染料インクと顔料インクのどちらにするかがポイントになります。
- 染料インク … 色調が鮮やかで写真におすすめ
- 顔料インク … 色が安定していて書類におすすめ
染料インクは用紙に染み込むため、発色がクリアで鮮やかな仕上がりになります。印刷表面が滑らかなので、印刷用紙の光沢感を活かすことができます。色の再現度が高いので写真のような色彩が多い印刷におすすめです。
顔料インクは用紙の表面に定着するので、色がしっかり安定して印刷できます。耐水性や耐光性にも優れるので、染料インクのように滲んでしまうことがほとんどありません。印刷から色が安定するまでの時間が短いことも特徴で、レポートやビジネス書類などにおすすめです。
大学生ならポイントはこれ
大学生にとってもプリンターはあると便利な家電です。だだ、学生という身分で高機能かつ高価な機種を買うのは避けたい人が多いのではないでしょうか。多くの学生がとりあえず安いプリンターをお求めになるかと思いますが、学生がプリンターを選ぶ上でチェックしたいポイントもあります。
コピー・スキャンの必要性
コピー機能やスキャン機能を使うかどうかを考えてから購入する必要があります。個人的にはコピーとスキャンは大学生には必須だと思うので、複合機を選ぶことをおすすめします。
大学生は講義のレポート作成などにプリント機能を多用します。それに加えて、資料や欠席した講義のノートをコピーしたりスキャンする機会も少なくありません。また、大学生にもなると諸手続きで身分証をコピーしたりすることも増えてきます。このような場合に自宅でコピーができるのか、それともわざわざコンビニのコピー機を使いに足を運ぶのか、どちらが良いのか考える必要があります。
コンビニのすぐ近くに住んでいたり、学校の帰り道にコピーできる場所があるのであればそれほど不自由しません。しかし、近くにコピーできる場所が無い場合やコピーする頻度が高い人にとっては、自宅のプリンターでできてしまえば手間も時間も短縮できます。大学生活を過ごす中で必要と感じたのであれば購入すれば良いかと思います。
本体サイズ
1人暮らしの学生であれば、プリンターの大きさについてもチェックすることをおすすめします。
学生の半数以上はアパートやマンションで1人暮らしをすることと思います。ワンルームの比較的狭い部屋で窮屈に感じながら生活している人も多いのではないでしょうか。
そういった学生にとって、部屋のスペースを使う家電は極力保有したくないものだと思います。安いプリンターであれば比較的コンパクトなモデルが多いですが、後から邪魔に感じない為にもモデル選びで大きさを比較してから購入することをおすすめします。
Wi-Fi接続・スマホ接続
Wi-Fiやスマホ接続が可能なプリンターを選ぶことでスマホから簡単に印刷ができて便利です。
パソコンから書類を印刷するのは当たり前ですが、学生の中にはパソコンを所有していない人もいるかもしれません。また、パソコンよりもスマホの方が手早く使える為、Wi-Fi接続やスマホから操作できる方が便利です。わざわざパソコンを開かなくても、スマホで撮った写真を印刷することもできます。
安いプリンターのおすすめ
単機能でおすすめのプリンター
エプソン PX-105
プリント方式 | インクジェット方式 |
インク | 4色、独立型インク |
カラー印刷 | 対応可 |
耐久性 | 5万ページ/5年 |
本体サイズ | 392×264×148mm |
ランニングコスト | 約14.4円(税込)(A4カラー文書) 約4.5円(税込)(A4モノクロ文書) |
参考価格 | 6,970円 |
4色カラーインクでの印刷に対応したインクジェットプリンター。顔料インクを採用しているため、はっきりと安定した文字の印刷が可能、レポートや書類の印刷が多い人にもおすすめ。非常に安価な互換インクを使用できるのでランニングコストが安く済みます。消費電力にもこだわっている為、電気代を気にする人にもおすすめです。
キャノン PIXUS-TS203
プリント方式 | インクジェット方式 |
インク | 4色、一体型インク |
カラー印刷 | 対応可 |
耐久性 | - |
本体サイズ | 約426×255×131mm |
ランニングコスト | 約32.3円(税込)(写真用紙) 約23.4円(税込)(普通紙) |
参考価格 | 4,500円 |
本体価格が5,000円以下で購入できるキャノンの格安プリンター。安くても4色のカラー印刷に対応しています。顔料インクを採用し、文字の多い書類などの印刷に最適です。インクカートリッジは一体型なので、交換費用は少し高めですが、初期費用をとにかく抑えたい人におすすめです。
エプソン PX-K150
プリント方式 | インクジェット方式 |
インク | 黒1色、独立型インク |
カラー印刷 | 未対応 |
耐久性 | 5万ページ |
本体サイズ | 392×264×148mm |
ランニングコスト | 約2.8円(税込)(A4モノクロ文書) |
参考価格 | 6,900円 |
モノクロ印刷のみのインクジェットプリンター。顔料インク採用で書類などの印刷におすすめ。インクは独立型、通常インクと大容量インクから選べます。低消費電力で節電にも繋がります。総印刷枚数は5万枚と寿命が長いので、印刷頻度が高く大量に印刷する人におすすめです。
複合機でおすすめのプリンター
エプソン カラリオEW-052A
プリント方式 | インクジェット方式 |
インク | 4色(顔料1色、染料3色)、独立型インク |
カラー印刷 | 対応可 |
コピー/スキャナー | ○ |
FAX | × |
本体サイズ | 390×300×146mm |
ランニングコスト | L判写真インク・用紙合計コスト約28.8円(税込) A4カラー文書・インクコスト約14.5円(税込) |
参考価格 | 6,800円 |
複合機の中では最安かつ最小クラスのカラリオ。A4サイズの印刷に加えてコピー、スキャンも対応可能です。インクは黒が顔料インクを使用しているので、文字の多い文書にはしっかりと安定した印刷が可能です。また、その他カラーは染料インクで写真のような色彩豊かな印刷も綺麗にできます。エプソンのアプリ「Epson Smart Panel」を使用することでスマホからの操作が可能です。置き場所を選ばないコンパクトな大きさが人気です。
キャノン PIXUS TS3530
プリント方式 | インクジェット方式 |
インク | 4色(顔料1色、染料3色)、一体型インク |
カラー印刷 | 対応可 |
コピー/スキャナー | ○ |
FAX | × |
本体サイズ | 約435×327×145mm |
ランニングコスト | L判写真インク・用紙合計コスト約33.4円(税込) A4カラー文書・インクコスト約24.5円(税込) |
参考価格 | 8,000円 |
キャノンのPIXUSシリーズの中でも最安クラスの複合機。顔料インクと染料インクのハイブリットを使用することで、黒は濃度が濃い黒色でくっきりとした文字を印刷できます。キャノンの専用アプリ「Canon PRINT Inkjet/SELPHY」を使用すればスマホから簡単操作が可能。スマートスピーカーにも対応できます。自宅にWi-Fi環境がない場合でも、スマホから直接接続できるのでプリントやスキャンができます。
FAX付きのおすすめ複合機
エプソン EW-M530F
プリント方式 | インクジェット方式 |
インク | 4色、独立型インク |
カラー印刷 | 対応可 |
コピー/スキャナー | ○ |
FAX | ○ |
本体サイズ | 375×347×230mm |
ランニングコスト | ― |
参考価格 | 17,050円 |
FAX機能が搭載された複合機は、FAX無し複合機から本体価格がプラス1万円以上します。それでも仕事などでFAXが必要な人におすすめの複合機です。2万円以下で購入できるFAX付き複合機は当モデル以外にほとんどありません。4色インクですが、カラーインクの残量が無くなった場合でも、最長5日間はブラックインクだけでモノクロ印刷ができます。FAXは最高速度33.6kbpsのスーパーG3対応。通信コストを抑える高速送受信が可能です。
キャノン TR8630A
プリント方式 | インクジェット方式 |
インク | 5色、独立インクタンク |
カラー印刷 | 対応可 |
コピー/スキャナー | ○ |
FAX | ○ |
本体サイズ | 約438×351×190mm |
ランニングコスト | L判写真インク・用紙合計コスト約19.5円(税込) A4カラー文書・インクコスト約11.0円(税込) |
参考価格 | 26,500円 |
黒の顔料インクと4色の染料インクからなるハイブリットインクを採用、文字の印刷も写真の印刷も満足のいく仕上がりを可能、独立型インクなので経済的です。FAXは高速電送可能なスーパーG3規格対応で、通信時間の短縮と通信コスト削減にもなります。パソコンで作成した資料をダイレクトでFAXすることもできるので、プリントアウトする手間も不要です。印刷もコピーもFAXも使用するという人に勧めたい複合機です。
ブラザー MFC-J904N
プリント方式 | インクジェット方式 |
インク | 4色、独立インクタンク |
カラー印刷 | 対応可 |
コピー/スキャナー | ○ |
FAX | ○ |
本体サイズ | 400×341×172mm |
ランニングコスト | L判写真インク・用紙合計コスト約23.1円(税込) A4カラー文書・インクコスト約9.9円(税込) |
参考価格 | 27,500円 |
ブラザーのコンパクトなFAX付き複合機。インクは黒の顔料インクと染料カラーインクのハイブリッド、カラーインク残量が切れた場合でも最長30日間は黒のみでモノクロ印刷が可能です。FAXは33.6kbpsのSuper G3通信で約3秒/枚の高速伝送を実現、パソコンから直接FAXを送受信できます。FAXの内容を印刷する前に液晶画面で確認ができるので、印刷代の削減や誤送信防止にも繋がります。ブラザーの専用アプリを使えばスマホから簡単に印刷が可能。
まとめ
今の時代、プリンターは1万円以下でも買えるようになりました。一家に一台と言っても過言ではないほど、プリンターは身近な家電となっています。使うか使わないかは仕事や生活スタイルによって人それぞれですが、1万円以下で購入できるなら持っていても損は無いと思います。購入する際には、印刷以外の使用用途を把握し、プリンターにも寿命があるということを念頭に置いてモデル選びをしてみてはいかがでしょうか。
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