耳を塞がずに音楽を楽しめる「イヤーカフ型ワイヤレスイヤホン」が注目を集める中、LDAC対応という一歩踏み込んだ仕様で登場したのが SOUNDPEATS Clip1 。
「開放型は音質が物足りないのでは?」「装着感は本当に快適?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SOUNDPEATS Clip1を実際に使用した体験をもとに、装着感・音質・機能性・実使用での満足度を専門的にレビューします。
VGP2025 SUMMERで「金賞」「コスパ大賞」を同時受賞したClip1。1万円以下で購入できるイヤホンとして、音質・デザイン・着け心地にもこだわったイヤホンを忖度無しで徹底レビューします。
本記事はメーカー様より商品サンプルをご提供頂き作成しています。レビュー内容については忖度無しに全て正直な感想をお伝えします。
SOUNDPEATS(サウンドピーツ)とは
SOUNDPEATS(サウンドピーツ)とは、2010年に中国の深センで設立されたオーディオブランド。
イヤホンを作り始めて15年以上、原音の再現を追求しているイヤホン専門のブランドで、様々なイヤホンの研究開発、生産および販売を行っています。
日本でも幅広く展開しており、2015年にAmazonでの販売を開始すると楽天市場やYahoo!ショッピングなどでも続々と展開。ビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店でも販売を行っています。
ワイヤレスイヤホン市場では、1万円以下で買えるコスパ最強イヤホンとしてメディアでも多く取り上げられたこともある実力派ブランド。
数多くのモデルが、日本国内最大級のオーディオビジュアルアワード「VGP」で、金賞やコスパ大賞を受賞しておりプロからの評判も非常に高いです。
公式サイト:https://jp.soundpeats.com/
公式Twitter:https://twitter.com/SOUNDPEATS_JP
公式Instagram:https://www.instagram.com/soundpeats_jp/
SOUNDPEATS Clip1の概要

SOUNDPEATS Clip1 は耳を塞がない イヤーカフ型完全ワイヤレスイヤホン で、高音質仕様ながら高いコストパフォーマンスを実現したモデルです。
Clip1は、VGP2025 SUMMER(ビジュアルグランプリ)で「金賞」と「コスパ大賞(Best Value Award)」を同時受賞した実績があり(※VGPはオーディオ・映像機器の信頼性の高い国内アワード)、1万円前後の価格帯としては特に高評価を得ています。
この受賞は、単に価格が安いというだけでなく、音質・装着感・機能性・使い勝手の総合バランスが高く評価された結果です。実際に多くのレビューでも、Dolby AudioやLDAC対応、最大40時間再生、AutoSense™などの高機能を備えつつ、日常用途で快適に使える完成度の高さが好評を得ています。
基本スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品名 | SOUNDPEATS Clip1 |
| タイプ | イヤーカフ型・オープンイヤー型 |
| 対応コーデック | SBC / AAC / LDAC |
| マルチポイント接続 | 対応 |
| Bluetooth 接続 | Bluetooth 5.4 |
| 充電ケースポート | Type-C |
| バッテリー寿命 | 最大40時間 |
| 急速充電時間 | 10分で約2時間再生 |
| ドライバー | 12mm デュアルマグネットダイナミックドライバー |
| ノイズキャンセリング | ENC通話ノイキャン |
| 重量 | 片側5g、ケース含む55.5g |
| サイズ(ケース込み) | 71.5×49×35mm |
| 防水性能 | IPX5 |
| 対応OS | iOS/Android |
主な特徴
- イヤーカフ型×コンパクトで超軽い装着感
- 大口径ドライバー×Dynamic EQ Proで迫力の低音
- イヤーカフ型でハイレゾ×LDAC対応
- Dolby Audio対応の臨場感あふれる音質
- マルチポイント接続対応
- AutoSense(装着検出)搭載
- PeatsAudioアプリによるEQカスタマイズ対応
大口径ドライバーとDynamic EQ Proによって迫力の低音を再現し、さらにハイレゾ×LDAC対応によって奥行きのある音を実現、オープンイヤー型(イヤーカフ型)でも非常に高い音質を可能としています。
音質を左右する設定は様々あり、ゲームモードやムービー、音楽など様々ある。ただし、Dynamic EQ ProとDolby Audio、LDACについては共存して使用することはできないのが注意。いずれかの機能をオンにするとそれ以外はオフになります。
マルチポイント接続に対応しているのは個人的にかなり高評価です。1万円以下のワイヤレスイヤホンの場合はマルチポイントに対応していないモデルが多いので、対応していることを知った時には驚きました。スマホに接続しながらPCに接続しておけばわざわざ切り替える必要が無いので手間が減ります。
実物の重さ

重さを実際に測定したところ、イヤホン単体と充電ケースを合わせて55gということなので、公式表記は「55.5g」とほぼ同じです。

イヤホン単体での重さも測定しました。左右のイヤホン合計の重さが11gなので、片側だけだと5.5g。公式表記は「5g」なので、差はほとんどありません。イヤーカフ型のイヤホンとしては非常に軽いです。
付属品と別売品

- Clip1 本体
- プラグイン充電ケース
- USB Type-A to Cケーブル
- 取扱説明書
- アプリ説明書
SOUNDPEATSの取扱説明書やアプリ説明書は日本語にもしっかり対応おり、誰が見ても分かりやすい表記になっています。初めて使う人でも難しい設定などは無いと思います。
外観デザイン

Clip1は、耳元で主張しすぎないミニマルなデザイン。アクセサリー感覚で装着でき、ビジネスシーンや普段使いでも違和感がありません。全体的な色合いはグレーとブラックを基調としており、ロゴがアクセントとしてケースおよびイヤホン単体に入っています。主張し過ぎず大人っぽいですね。

イヤホン単体はオープンイヤー型としては本当に小さいです。指でつまむようにして持つことになります。部分的にシリコン素材となっていますが、耳の穴に接する部分はプラスチック素材となっているようです。

イヤホンの裏側にはスピーカー部と充電端子があります。右と左で識別が無く、どちらで使用しても問題ないのも特徴のひとつ。装着する時もケースにしまう時も左右で迷うことはありません。地味に有難いポイント。

充電ケースの表面はツルツルとしていて、うっすらラメのような塗装がされています。表面にはおそらくコーティングがされているので、汚れにくく指紋が付きにくいです。

ケースの内側には何もありません。表側と同じくツルツルしています。手に持って触っていても触り心地が良く気持ちいいです。ツルツルと言っても滑りやすい訳ではないので、誤って手から滑り落ちるということも少ないと思います。

背面側にはUSB-Type-Cのポートと機能スイッチがあります。良い意味でかなりシンプルにまとめられている印象を受けました。あらゆるシーンでも選ばず使えるデザインなのは有難いです。
SOUNDPEATSの専用アプリ
SOUNDPEATSでは専用アプリ「PeatsAudio」が用意されています。
iOSとAndroidそれぞれ対応しています。また、アプリ内は全て日本語でしっかり対応されています。


アプリ内では各種設定ができます。ゲームモードやDolby Audio、イコライザーのカスタマイズ、ノイズキャンセリングの設定などが可能。自分自身の好みに合わせてカスタマイズもできるので、自分だけの設定ができるのは嬉しいですね。
実際にClip1を使ってみた感想・メリット
実際にClip1を使ってみた感想をレビューします。これまでオープンイヤー型イヤホンはいくつも使用してきましたので、それらとの比較した直感的な感想を述べます。
着け心地は装着感を感じないほどの軽さ

着け心地・装着感についてですが、正直に言ってこれまで使ってきたイヤホンの中でも断トツで良いです。
一般的なオープンイヤー型イヤホンの弱点は、耳を挟まれている圧迫感です。これは脱落しないように固定する必要があるために仕方ないこと。
しかし、Clip1については挟まれているという感覚がほとんど無く、かといって耳から外れやすいこともありません。重心と挟み具合、重量のバランスが非常にうまく調整されていると思います。
耳に着けていることを本当に忘れて作業に没頭してしまいます。長時間着けていても疲れにくいことの裏付けとも言えます。

また、メガネをした状態でも干渉したり邪魔になることはありません。耳の上に掛けるタイプ(イヤーフック型)のオープンイヤー型イヤホンだと、メガネの着脱時にうっかり落としてしまうこともありましたが、Clip1は耳の下側なので影響を受けません。マスクをしてても邪魔にならないので、日常的にマスク着用している人にもおすすめです。
音質はオープンイヤー型ではトップクラス

12mmという大型ドライバーのおかげで、オープンイヤー型ながら音のスケール感は十分。特に中低域の量感は、一般的なオープンイヤー型よりも一段上に感じます。
LDACを有効にすると、情報量と解像感が明確に向上します。オープンイヤー型特有の「音が軽い」印象が薄れ、輪郭のはっきりした音になります。Dolby AudioとDynamicEQ Proは、音のバランスを自動補正してくれるため、ジャンルを選ばず聴きやすいチューニングです。簡単にまとめるとこんな感じです。
- 低音:量感は控えめだが、締まりがあり自然
- 中音:ボーカルが前に出て聴き取りやすい
- 高音:刺さりにくく、長時間でも疲れにくい
全体的にオープンイヤー型らしく「開放感」と「空気感」を重視したサウンドで、特にBGM的に音楽を楽しみたい人に向いた音質かなと思います。
サイズ感はベストに近い

イヤホン本体の大きさについては個人的な理想にかなり近く、耳に着けていても目立ちにくいので助かります。
反対に、小さ過ぎると着脱時などに握り損ねてポロッと落としてしまうこともあるので、本当にちょうど良い。大き過ぎず小さ過ぎず、大豆が2個つながっているほどのこのコンパクトさがベストだと思います。
防水性能は日常使用では十分過ぎる
防水性能はIPX5ということで、これはどのくらいかというと、「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響を受けないレベル」です。
要するに、雨の中でランニングする際や汗を大量にかくような場面でも全く心配いりません。さすがにお風呂やプールなどの水辺で使用するのは避けた方が良いと思いますが、日常使用するなかで不足することは全くありません。
バッテリー持ちも心配なし
Clip1のバッテリーの持ち時間に不満は全くありませんでした。
充電ケースを合わせて最大40時間も再生できるので、私の場合は一日3時間程度使用しても約2週間は充電する必要が無いでかったです。なかなか1日中使用するという人はいないと思いますし、それでも数日間は持つので日常使用には十分過ぎると思います。
Clip1の気になる点・デメリット
Clip1の気になる点についても紹介します。細かいところで気になった点をいくつかの項目に分けて忖度なしで言わせて頂きます。
低音の迫力はカナル型にはやや劣る
さすがにカナル型イヤホンと比較すると低音の臨場感というか迫力は少し劣るかなという印象。イヤーカフ型の開放設計を採用しているため、密閉型のカナル型イヤホンと比べると低音の量感や迫力は控えめ。
12mmデュアルマグネットドライバーにより中低域はしっかり鳴りますが、耳道を塞がない構造上、空気を押し出すような重低音は再現しにくい傾向があります。
EDMやヒップホップなど、低音のインパクトを重視するジャンルをメインに聴く人には物足りなさを感じる可能性があります。一方で、低音が過度に強調されない分、長時間聴いても疲れにくいという側面もあります。
ただし、勘違いしないでもらいたいのが、あくまで「カナル型と比較してやや劣る」ということ。オープンイヤー型ということを考慮すれば、しっかりメリハリのある低音を聴くことができます。
うっかり片耳を外すと停止する
Clip1はAutoSense(装着検知)を搭載している為、耳からイヤホンが外されると再生中の音楽が一時停止します。
音楽を再生中で止めたくない時でも、不意に片耳のイヤホンを外すと強制的に停止してしまうので、ちょっとしたストレスを感じる場合もあります。
とはいえ、AutoSenseは左右どちらの耳にイヤホンが装着されているかを自動検出し、状態に応じて左右の音声チャンネルを適切に切り替えてくれる便利な機能です。また、イヤホンを耳から外すことで自動停止してくれるので無駄に再生し続けないというメリットもあります。よって、魅力の方が圧倒的に多いので気にし過ぎかと思います。
静かな場所での音漏れには注意
オープンイヤー型イヤホン全般に言えることですが、Clip1も音量を上げすぎると音漏れしやすい傾向はあります。特に図書館や静かなオフィスなど、周囲が無音に近い環境では、音を大きくし過ぎると意図せず漏れてしまう可能性も少なからずあります。
実際に図書館などで使用する際には、普段より一段階低めの音量設定を意識することで、音漏れは十分抑えられます。「ながら聴き」用途が中心とはいえ、静音性が求められる場所では使い方にちょっとした配慮をおすすめします。
SOUNDPEATS Clip1の総合評価

Clip1の個人的な総合評価をすると以下になります。どの項目も非常に高評価を付けました。なぜなら価格は1万円以下という破格の安さだから。コストパフォーマンスを考えたら超優等生と言えますし、さすがSOUNDPEATSだと納得します。
- 使いやすさ・・・
- 製品の質 ・・・
- デザイン性・・・
- コスパ高さ・・・
SOUNDPEATS Clip1は、快適な装着感、開放型でも妥協しない音質、高機能・高コスパを高い次元で両立したイヤーカフ型ワイヤレスイヤホンだと言えます。
Clip1がおすすめな人は、
- イヤホンの装着感が気になる人
- オープンイヤー型でも音質にこだわる人
- マスクやメガネを着ける人
- 長時間着用したいが耳への負担を減らしたい人
- コスパにこだわる人
「ながら聴き中心だけど、音質も妥協したくない」「軽くて外れにくいオープンイヤー型イヤホンが欲しい」そんなユーザーには、非常に完成度の高い選択肢といえるでしょう。初めてオープンイヤー型を使用する人にもおすすめです。



