「オイルヒーターって本当に暖かいの?」や「オイルヒーターのデメリットは何?」などと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、そんな人の為に知っておくべきオイルヒーターの特徴やメリットとデメリットを解説します。
オイルヒーターはあまり馴染みが無いという方も多いかもしれません。暖房機器の中では石油ファンヒーターやエアコンなどに比べて存在が薄いというのも事実。しかし、オイルヒーターにはオイルヒーターなりのメリットがあり、知る人ぞ知る隠れた暖房器具の優等生でもあるのです。
そんなオイルヒーターについて全然知らないという方や、これから暖房器具を導入しようと考えている方の参考になればと思います。
最後には、本当におすすめできるオイルヒーターも3つご紹介します。モデル選びで迷っている人は参考にしてみてください。
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オイルヒーターとは
オイルヒーターとは、その名前の通り器具の内部にオイルが入っている暖房器具です。電気で暖められたオイルが器具の中を循環することで、器具表面から放熱します。
輻射熱で直接身体を暖めたり、室温との温度差による対流で部屋全体を暖めます。遠赤型電気ストーブのように局所的に輻射熱で暖めるのではなく、輻射に加えて対流を起こしますので部屋全体がゆっくり暖まっていきます。
昔からある暖房器具ではありますが、暖房効率があまり良くないために一般家庭では使われる機会が少なかったようです。病院や介護施設の壁にパイプのような形で取り付けられた暖房器具も一種のオイルヒーターです。若年層には見覚えが無い方も多いかもしれません。
オイルヒーターのメリット
オイルヒーターには、特有のメリットがいくつかあります。他の暖房器具と比べて優れた点も複数あるため、今も尚、使われ続けています。
触れてもやけどしにくい
オイルヒーターは暖められたオイルが器具内部を循環します。そのため、表面のパネル部分は電気ストーブほど高温にはなりません。表面の温度は60~90℃ほどになります。一時的に触れてしまってもやけどする温度ではありません。対して、石油ストーブや電気ストーブの高熱部は熱いところで200℃以上にもなります。その高熱部に一瞬でも触れると間違いなくやけどしてしまいます。
やけどしにくいというメリットは、小さいお子様や小動物を飼っている家庭では非常に魅力的だと思います。昔から病院などで使用されてきたのも、誤って触れてしまった場合でもやけどをしにくいからなのではないでしょうか。
温風が出ない
オイルヒーターは温風を吹き出しません。輻射熱に加えて対流も起こしますが、この対流は自然の法則を利用した対流ですので、ファンを回転したり強制的に温風を吹き出す訳ではありません。じわじわと暖かい熱が部屋に広がっていくようなイメージで、身体にも風を感じませんので居心地の良い暖かい空間を創りだします。
また、温風を出さないのでホコリやハウスダストを巻き上げることもありません。エアコン暖房やファンヒーターのような風が出る暖房器具が嫌いな方には非常におすすめです。
運転音が静か
風を出さずファンを回さないということは騒音値も非常に小さいということです。電気で内部のオイルを暖めているだけですから、音源となる部位もありません。子どもが寝ている最中や、寝室での利用にも最適です。
空気を汚さない
電気ストーブ全般に当てはまることですが、オイルヒーターは空気を汚しません。ヒーターに通電しているだけですので、石油ストーブやガスストーブのように燃焼ガスを大気中に排出することもありません。お部屋の換気が必要ないので、断熱性の高いご家庭やお部屋での使用に適しています。
手入れしやすい
放熱部の構造がシンプルですので、お掃除が非常に簡単です。放熱パネルの表面についたホコリを軽く拭くだけでOKです。隙間にごみが詰まるような心配もありません。放熱パネルの部分は軽くであれば水拭きも可能ですので、いつまでも綺麗な外観を保つことができます。お掃除やメンテナンスが面倒という方におすすめです。
乾燥しにくい
オイルヒーターは温風を出さないので乾燥もしにくいです。但し、全く乾燥しない訳ではなく、お部屋の温度が上昇すれば相対湿度は必ず下がります。
石油ファンヒーターや石油ストーブのように大気中に水分を放出して加湿する暖房器具もありますが、エアコンや電気ストーブは加湿は一切しません。ですので、お部屋の温度が上昇すればするほど当然ですが湿度は下がります。
しかし、オイルヒーターではエアコン暖房のように一気に温風を送り出して室温を上げるという訳ではありません。じわじわとお部屋を暖めていきますので、乾燥しにくいというのが正しい言い方になります。あくまで加湿する訳ではありませんので、必要に応じて加湿器を併用するのも良いでしょう。
オイルヒーターのデメリット
オイルヒーターにも大きなデメリットがあります。それ故に世間に浸透しにくい暖房器具でもあるのかなと思います。以下で取り上げるデメリットが気にならないというのであれば、オイルヒーターは優れた暖房器具として重宝するかと思います。
暖まるのに非常に時間がかかる
暖房能力が弱いというのが欠点になります。運転を開始してからお部屋全体が満足のいく室温になるまでには非常に時間がかかります。
オイルヒーターは、まず電気をヒーターに通電してヒーターが発する熱をオイルに与えます。そしてそのオイルが器具の表面に伝熱して、表面のパネルからお部屋に放熱するという仕組みです。仮にヒーターの熱が100%だったとしても、お部屋に放熱するまでには70%とかに落ちてしまうということです。石油ファンヒーターであれば燃焼熱を100%大気に放熱しますし、電気ストーブはヒーター熱をそのまま放熱しています。
ただし、ゆっくり温度が上がっていく方が好きという方も少なからずいらっしゃいます。温度変化が緩やかなので身体には優しい暖房器具ということです。
電気代が結構かかる
暖房能力が弱いことと繋がりますが、暖房効率が悪いです。理由は先に説明した内容と同じになります。設定温度まで室温を上昇させる為にはハイパワーで長時間運転することになります。更に、室温を維持するためにも暖房能力が弱いため、設定温度に達してからも多くの電気を使います。
使用環境によっても暖房効率は変わってくるため具体的な電気使用量は述べませんが、エアコンや石油ファンヒーターとは比較にならないほど電気代が掛かります。
オイルヒーターの仕組み上やむを得ないため、電気代を気にするという方には向かない暖房器具です。
筐体が大き過ぎる
オイルヒーターは本体サイズが非常に大きいです。小型のものも一部売られていますが、基本的にはかなり大きいです。
マンションやアパートのような狭いお部屋にお住まいの方には、スペース的に厳しいという方も多いです。冬が終わって片付けるにしても、しまう場所が限られます。処分する際も粗大ごみになりますので扱いにくいのが難点です。
本体価格が高い
オイルヒーターは比較的価格が高めです。最近ではアイリスオーヤマのような低価格のオイルヒーターも増えてきましたが、デロンギのような高価格なオイルヒーターが主流でした。ただ、価格についてはすどの暖房器具と比較するかにもよりますので、一度他の暖房器具についても調べてから判断される方が良いかと思います。
オイルヒーターの効果的な使い方
オイルヒーターのデメリットである、電気代の高さや暖まりの遅さを補う為にできる方法を紹介します。オイルヒーターを効率的に使用することで、快適に省エネに過ごすことができます。
部屋の断熱性を高める
使用する部屋の断熱性を高めることがオイルヒーターの重要なポイントです。二酸化炭素や一酸化炭素を排出する石油ストーブなどとは異なり、できる限り部屋を密閉する方が効率が高まります。
窓に断熱材を貼ったり、隙間風を防止するテープを貼ったりなど、部屋の中の熱が外部へ漏れにくい環境にしましょう。床からの冷気も大きく影響してしまうので、断熱効果の高いカーペットやマット敷くことで部屋全体の断熱性が高まります。
省エネモードを使用する
省エネモードや節電モードなどの機能が備わったオイルヒーターも多く存在します。これらの省エネモードを利用することで、余計な暖まり過ぎを防ぎ、無駄な消費電力を削減することができます。
設定温度を下げる
部屋が十分暖まってきたと感じたら、設定温度を下げることで消費電力を低減します。エアコンなどと同じで、設定温度を下げればそれだけ暖める為に発熱する量も減りますので、結果的に節電になります。ただし、部屋の温度が低いのに無理して設定温度を下げるとそれはそれで意味が無いので、無理のない程度に下げることをおすすめします。
窓際に設置する
オイルヒーターは窓際に設置するのが効果的です。窓から部屋に入ってくる冷気をオイルヒーターで直接暖めることで、冷気の侵入を防ぎます。暖められた冷気がオイルヒーターによって部屋の中で循環し、温度分布の偏りも減らすことができます。結果的に、部屋を満遍なく効率的に暖めることができるので、設定温度を下げることに繋がります。
他の暖房器具と併用する
オイルヒーター単体では、どうしても暖まるスピードが遅い為、運転開始した直後は寒く感じるかもしれません。その場合は、セラミックヒーターなどを併用して直接的に身体を暖めると良いでしょう。また、立ち上がりの暖房能力に長けている石油ファンヒーターなどを併用し、部屋が暖まったらオイルヒーターのみに切り替えるのも効果的と言えます。
オイルヒーターに限らず、部屋を暖める暖房器具は窓際に置くことが最も効果的です。侵入する冷気を直接暖めて冷気をシャットダウンできます
おすすめのオイルヒーター【3選】
オイルヒーターで人気のメーカーは、デロンギやアイリスオーヤマ、ユーレックスがあります。
シェアはデロンギのオイルヒーターが強いですが、唯一の国産メーカーのユーレックスや、コスパ最強のアイリスオーヤマのオイルヒーターも人気が高いです。
その中でおすすめのオイルヒーターを3つ紹介します。モデル選びで迷っている方はぜひ参考にしてください。
ユーレックス オイルヒーターVFX11EH(DPW)
ワット数 | 1500W |
適用畳数 | 10畳530×205×620 |
製品寸法 | 長530×幅205×高620mm |
参考価格 | 38,000円 |
ユーレックスは長野県で製造するオイルヒーター専業メーカーで、日本で唯一の国産オイルヒーターメーカーでもあります。約30年間にもわたり日本のオイルヒーター市場を牽引してきた実績があります。
1日24時間おまかせ運転が可能なマイタイマーは、1時間ごとに使いたい時間と設定温度を自由に設定することができます。さらに高感度の室温センサーが搭載されているので、余計な電力量を減らすことができ節電に繋がります。エコ運転機能を使うと、最大30%の消費電力がカットできるので、電気代が気になる方におすすめしたいオイルヒーターです。
安心の日本国産メーカーにこだわりたい人、オイルヒーターが欲しいけど電気代も気になる人はユーレックスのオイルヒーターがおすすめです。公式オンラインストアでしか扱っていない機種なので、ご購入は下記からチェックしてくだい。
デロンギ ヴェルティカルドオイルヒーターRHJ21F0812-GY
ワット数 | 1200W |
適用畳数 | 10畳 |
製品寸法 | 奥行420 x 幅260 x 高さ650 cm |
参考価格 | 26,800円 |
デロンギは国内のオイルヒーター市場でトップシェアを誇ります。日本以外でも世界70か国で販売実績がある海外ブランド。その中でもグッドデザイン賞を受賞しているデザインも性能も文句無しのオイルヒーターです。
一番の特徴はモダンなデザイン。正面の操作部をフラットなデザインにすることで縦ラインが強調されたインテリアのような外観が魅力です。フィン本体は約80℃程度で触ってもやけどしにくい安全設計となっています。電源プラグはデロンギ独自の安全プラグとなっていて、もしもの時の発熱や発火事故を未然に防ぎます。
デロンギオイルヒーターの購入は、デロンギ公式オンラインショップからが送料無料になるのでおすすめです。商品ラインナップも全て取り揃えているので、欲しかったデロンギ商品が見つからないことはありません。下記からチェックしてみてください。
アイリスオーヤマ オイルヒーター POH-S1208M-W
ワット数 | 1200W |
適用畳数 | 8畳 |
製品寸法 | 幅255×奥行430×高さ635mm |
参考価格 | 14,920円 |
アイリスオーヤマの安くて見た目もおしゃれなオイルヒーターです。操作はデジタルタッチパネルで表示が分かりやすく、苦手な人でも直感的に操作できます。1℃刻みで細かく温度調節が可能な為、必要以上に暖め過ぎることを抑制できます。
電気代が気になる人には無駄な消費電力をカットするECOモードを搭載。子どもがいる家庭にも嬉しいチャイルドロックや転倒時自動オフ機能、本体が熱くなり過ぎると自動で停止する安全機能まで搭載しています。
本体のカラーは、木目ナチュラル、木目ダーク、ホワイトの3色から選べるので、自分のお部屋に合わせてコーディネートできるのもアイリスオーヤマの大きな魅力の一つ。
デザインを気にする人、電気代が気になる人、子どもがいる家庭まで多くの人におすすめできるオイルヒーターです。
購入はアイリスオーヤマの公式オンラインショップ「アイリスプラザ」がおすすめです。アイリスプラザでは送料無料に加えて、会員登録で5%OFFで購入することができます。アフターサポートも手厚い上、更にポイントも溜まるのでお得です。メーカー保証を1年間延長することもできるので、下記からチェックしてみて下さい。
まとめ:オイルヒーターは安心・安全な暖房機
オイルヒーターは、安心・安全・クリーンな暖房器具です。エアコン暖房や石油ファンヒーターを今まで使っていたという方もオイルヒーターの良さを一度知って頂けたら暖房器具に対する考え方が変わるかもしれません。
子育て家庭や温風による乾燥が苦手な人の暖房としては強くおすすめします。オイルヒーターで冬の快適なあったかライフを送ってみてはいかがでしょうか。