石油ファンヒーターがウイルスを除去するのは本当か|なぜウイルスを除去するのか理屈に迫る!

先日、石油ファンヒーターがウイルス除去に効果があるというニュースがリリースされました。これを発表したのは、石油ファンヒーターや加湿器の製造で有名なダイニチ工業です。どういうことなの?本当なの?と疑問を抱く方も多いと思います。これから暖房器具を選ぶ方にとっても参考にしたい内容かと思いますので、私の考えを主として解説いたします。

(※あくまで筆者個人としての考えを含みますので、参考記事として閲覧ください。)

目次

ウイルス除去の概要

ニュースリリースの内容

2020年12月2日、ダイニチ工業が自社公式ホームページにてニュースリリースを発表しました。その内容は「石油ファンヒーターによる浮遊ウイルス除去効果の確認」というものです。

  25m3空間内の浮遊ウイルスを30分で99%除去できることを確認した。

経過時間ごとの浮遊ウイルス減少率

(引用:ダイニチ工業公式HP

この記事の内容を要約すると、

石油ファンヒーターを使って暖房を行うだけで、およそ30分後には99%の空気中に浮遊するウイルスを除去することができるということです。

ただし、ここで誤解を招いてはいけないのが、型コロナウイルスにおける除去効果では無いありません何のウイルスなのかは明記されていないので詳細は分かりません。ただ、特定のウイルスに対しては除去効果を十分に発揮するということです。

(参考記事:ダイニチ工業株式会社「石油ファンヒーターによる浮遊ウイルス除去効果の確認」

そもそも石油ファンヒーターって?

石油ファンヒーター

石油ファンヒーターがどういった暖房器具なのか、イマイチ分からないという人の為に簡単に説明します。

石油ファンヒーターとは、灯油を燃料として燃焼させた熱をファンを回して送り出す暖房機器のことです。家庭用コンセントで動きます

ひと昔前まではファンヒーターというと、石油ファンヒーターのことを指すのが一般的でした。しかし、今ではセラミックファンヒーターなどの電気を使ったファンヒーターが数多くなりました。その為、若い人の中には石油ファンヒーターを使ったことが無かったり、はたまた何のことかさえ全く知らないという方もいるようです。

そうは言っても、石油ファンヒーターは今でも冬を代表する暖房機器として売れ続ける定番商品です。寒い地域になればなるほど、石油ファンヒーターを使う家庭が多いです。

石油ファンヒーターの何が良いの?

今の時代、ほとんどの家電製品が家庭用コンセントからの電気のみで動くのが当たり前ですが、ではなぜ石油ファンヒーターは売れ続けるのでしょうか。セラミックファンヒーター等の電気ストーブではダメなのでしょうか。

暖房能力

その答えは、『暖房能力暖房感』の差です。

既に申したように、灯油を燃焼させた熱を吹き出すのが石油ファンヒーターです。電気で暖めたヒーターの熱を吹き出すのがセラミックファンヒーターです。当然ながら、燃焼した熱を吹き出すファンヒーターに勝てる訳がありません。これは電気ストーブに限ったことでもなく、エアコンの暖房でも同じです。昨今のエアコンは暖房能力がかなり向上していますが、北日本などの寒い地域では圧倒的に石油ファンヒーターに軍配が上がります。エアコン暖房だけで十分と言っている方は、ほぼ間違いなく関東よりも南の地域にしか住んだことがない人だと思います。

その他にも石油ファンヒーターの強みはいくつかあります。

加湿する

石油ファンヒーターやガスストーブなど、化石燃料を燃焼させる暖房機器は暖房しながら水を空気中に放出しますつまり、電気で動く暖房機器とは異なり、部屋の室温が上昇しても加湿する為、部屋の湿度が低くなりにくいです。

一般的に湿度(相対湿度)は、部屋の室温が上昇すると加湿しない限りは低下します。暖房機器を使っても使わなくても、室温が上がれば相対的に乾燥するということです。しかし、石油ファンヒーターは加湿するので湿度も低下しにくいのです。

この原理や詳細内容については他の記事にまとめていますので、こちらを参照ください。

コスパが良い

石油ファンヒーターはセラミックファンヒーターなどの電気ストーブと違って、1台あれば部屋全体を暖めることができます。更に、灯油代はかかりますが消費電力が非常に小さく、電気代があまりかかりません。(※メーカーによって異なります)

それにも関わらず、石油ファンヒーターの本体価格は安いモデルだと1万円ほどで購入することができます。暖房能力、ランニングコスト、本体価格を考慮するとコストパフォーマンスに優れる暖房機器だということが分かります。

石油ファンヒーターの電気代については、他の記事でも取り上げていますので参考までにお読みください。

石油ファンヒーターのメリットを紹介しましたが、この度『ウイルス除去効果』という新しいメリットが判明したということです

石油ファンヒーターがウイルス除去するのは本当か

ウイルス感染

さて、前置きが長くなりましたが本題に入っていきます。

ウイルス除去するのが本当かどうかについては、当然ですが本当だと思います。そりゃダイニチ工業が公式に効果を確認したと発表しましたから間違いありません。

内容を詳しく見てみると、日本電機工業会規格のJEM1467「浮遊ウイルスに対する除去性能評価試験」を参考にして実験を行ったということです。この浮遊ウイルスに対する評価試験は、空気清浄機などの効果を証明する際にも頻繁に行われる代表的なものです。この試験を実施した上で、ウイルスの除去が確認できれば公にウイルス除去効果を宣伝することができるということです。ちなみに、過去にダイソンの空気清浄機能付きファンヒーターも同様の評価試験結果をリリースしておりました。

評価試験に使用した石油ファンヒーターは、特別な装置や機能を追加したものではなく、世に出回っている石油ファンヒーターをそのままで実施しています。なので、昔から使っている石油ファンヒーターも今後購入する石油ファンヒーターにも共通していえる効果であるということになります。

この新型コロナウイルスが蔓延している時代だからこそ、ダイニチ工業はこういった検証を行ったのでしょう。大変感謝いたします。

ただし、何度も言いますがここで評価試験に用いる浮遊ウイルスは新型コロナウイルスではありません

今回は不明ですが、試験に使われる代表的な浮遊ウイルスはインフルエンザウイルスのようです

浮遊ウイルスを除去できる理由

では、なぜ石油ファンヒーターは浮遊しているウイルスを除去できるのでしょうか。ここからはダイニチ工業が発表している内容と、その他文献を基に私が考察する内容となりますのでご理解ください。

燃焼によりウイルスが殺される

燃焼

ウイルスが除去される原因は、燃焼によって死滅するからだと考えられます。ウイルスは全般的に熱に弱いのが特徴ですので間違いないかと思います。

石油ファンヒーターの仕組みを解説します。石油ファンヒーターは、背面の通気口から室内の空気を吸い込み、その空気が燃焼部に供給されます。厳密には、すべての空気が燃焼部を通る訳ではありませんが、灯油の燃焼には酸素が必要ですので吸い込んだ空気を一定量ずつ燃焼に使います

燃焼に使用される空気に含まれるウイルスが除去されるだけでなく、通過するだけの空気も非常に高温となりますので、高温による死滅も十分あり得るでしょう。ちなみに石油ファンヒーターの吹き出す温風は、吹き出した直後には120~140℃近くになるそうです。インフルエンザウイルスであれば、40℃で死滅するらしいので瞬殺です

(参考:富士通ゼネラル-温水ルームヒーター紹介「石油ファンヒーターの場合」

イメージとしても、ウイルスが浮遊する空気を直火に晒されたら一発でウイルスが死滅しそうですよね。スチームアイロンでダニやウイルスを殺菌するという広告をよく見かけるかと思いますが、理屈としてはほとんど同じです。ウイルスが付着しているか浮遊しているかどうかの違いです。

湿度も関係あり

加湿

石油ファンヒーターは灯油を燃焼することで、空気中に水分を放出します。つまり、石油ファンヒーターが加湿することもウイルス除去に良い影響を与えていると思われます。

湿度が50%以上になるとインフルエンザウイルスは大幅に激減することが研究から判明しています。(研究者のG・J・ハーパー氏が1961年に発表したsurvival test with for virusesという研究論文による)部屋を高温多湿にすることがウイルス対策になることは有名ですが、まさに石油ファンヒーター1台でその状態を可能にするということです。

ウイルス除去できる暖房器具と除去できない暖房器具

部屋の暖房

ここまでの内容を理解すれば、どの暖房器具がウイルス除去に効果があってどの暖房器具が効果が無いのかお分かりかと思います。空気を吸い込み燃焼させ、空気そのものを高温にする暖房器具がウイルス除去に効果があると考えられます。尚且つ、部屋を乾燥させない暖房器具は同様の効果がある可能性が高いです

逆に、空気自体を暖めはするものの、吹き出し温風温度がさほど高くない暖房器具や加湿能力が無い暖房器具はウイルス除去に効果があるとはここで断言できません。

ウイルス除去できる暖房器具

ウイルス除去できる暖房器具

・石油ファンヒーター

・石油ストーブ

・ガスファンヒーター

・ガスストーブ

石油やガスなど燃焼させる暖房器具は、空気自体が燃焼に使われる、かつ非常に高温になりますので高いウイルス除去力があると思います。更に燃焼中は常に水を放出しますので部屋を加湿します。

よって、浮遊するウイルスの除去に効果があると断言できるのは、石油燃焼機器やガス燃焼機器になります。

ウイルス除去ができない暖房器具

ウイルス除去できない暖房器具

・遠赤外線の電気ストーブ

・セラミックファンヒーター

・エアコン

遠赤外線タイプの電気ストーブは空気を暖めることはしません。人や壁などに直接的に熱を与えますが、空気は一切暖まりませんので浮遊するウイルスの除去効果は皆無かと思います。(壁などに付着したものは分かりませんが)

セラミックファンヒーターとエアコンについては、除去効果がゼロとは言い難いです。どちらも空気を暖めることは可能ですが、燃焼系の暖房器具ほど高温になりません。また、加湿は全くしないので、室温の上昇に伴い乾燥が急激に進みます。(加湿機能が付いた高付加価値モデルを除く)

新型コロナウイルスに効果はあるか

新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルスに対しても除去効果がある可能性あり

ダイニチ工業も新型コロナウイルスではないと公言していますので、現状では断言することはできません

ただし、インフルエンザウイルスのような浮遊ウイルスに対して除去効果があるのならば、新型コロナウイルスに対しても効果があると考えても良いのではないでしょうか。

厚生労働省が発表している新型コロナウイルスへの予防方法では、モノに付着したウイルスについては熱水でウイルスを死滅することができるとのことです。ここでは80℃の熱水で10分間と目安を示しています。モノに付着したウイルスに対しての内容ですが、浮遊しているウイルスにも類似したことが言えると思います。

(▽参考文献:厚生労働省ー新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)

また、石油ファンヒーターは他の加湿しない暖房器具と比べて室内の湿度を下げにくいですから、高温多湿の環境を作りやすいです。高温多湿が新型コロナウイルスに対して有効かどうかは未だ判明していませんが、低温低湿よりも良いのは間違いありません。

加えて、石油ファンヒーターは定期的に換気をしなければいけないことは多くの方の認識としてあるかと思います。なので石油ファンヒーターを使っていれば、本能的に換気をしなければいけないという意識が芽生えるかと思います。換気は新型コロナウイルスの感染防止に有効な手段であると言われていますので、ある意味定期的な換気を促進します。

これらのことから考えると、石油ファンヒーターは優秀な暖房器具と言えるのではないでしょうか。

暖房能力の高さだけでなく、室内の加湿、浮遊ウイルスへの対策とメリットが多いです。このコロナ禍で寒い冬、どうせなら少しでもウイルスへ効果が期待できそうな暖房器具を使ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

この度、ダイニチ工業が発表した浮遊ウイルスが何のウイルスなのかは分かりません。インフルエンザウイルスなのか、それとも他のウイルスなのか。

ただ、どちらにしても何かしらの対ウイルス効果が期待できるという事実だけで石油ファンヒーターの大きな強みとなったのではないかと思います。

灯油を必要とする石油ファンヒーターや石油ストーブは、手間や火災事故等の影響で人気は右肩下がりであるかと思います。しかし、昨今の情勢の中で石油暖房機器の重要性が今一度見直されることになるかもしれませんね。

ウイルスに負けない環境づくりで、健康で暖かい冬をお過ごしください。

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