電気ストーブは手軽ですぐ暖められる点が人気を集めています。そんな電気ストーブには種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。ご使用の環境と目的に応じた電気ストーブを選ぶことで、暖房感・電気代・利便性のすべてで後悔することが無くなります。どれも同じだと思って一番安い電気ストーブを購入してしまうと間違いなく後悔します。まずは電気ストーブの種類から知ることで自分に最適なものを見つけましょう。
電気ストーブの魅力とは
電気ストーブは人気の暖房器具の一つです。ひとことで電気ストーブと言っても実は種類が多く、それぞれの特徴があります。まずは電気ストーブ全体の魅力は何なのかを見ていきます。
コンセントがあればすぐ使える
電気ストーブはコンセントさえあれば、電源コードを挿すだけですぐに暖房することができます。どこでも誰でも気軽に使用できるのが電気ストーブの大きな魅力です。石油ストーブやガスストーブのように灯油やガスなどの化石燃料を必要としないことが魅力的なポイントです。
すぐに暖かい
電気ストーブは一部の例外を除き、電源を入れてすぐに熱を発するものが多いです。冬の寒い屋外から帰宅した際など、とにかくすぐに身体を暖めたいという場合にはとても活躍します。部屋の空気を暖める力はありませんが、電気ストーブが発する輻射熱や温風に直接当たれば、身体自体は暖まります。
気軽に購入できる
電気ストーブは大きさがコンパクトなものが多いため、家電量販店やホームセンターでも気軽に購入できるのも魅力です。お店で買って持ち帰れば、そのまますぐに使えるという気軽さが購買意欲をそそります。
電気ストーブ|9つ種類とその特徴
電気ストーブという多くの人がニクロム線やカーボンヒーターなどの遠赤外線タイプを想像されます。ですが、意外にも電気ストーブには種類がたくさんあります。その種類によって、暖かさが全然違い、メリットやデメリットなど特徴も異なります。ここでは、各電気ストーブの概要とメリット・デメリットを紹介します。
- ニクロム線ヒーター
- ハロゲンヒーター
- カーボンヒーター
- グラファイトヒーター
- シーズヒーター
- セラミックヒーター
- パネルヒーター
- オイルヒーター
- オイルレスヒーター
主な電気ストーブの種類を列挙するだけでもこれだけの種類があります。見た目では判別できないものや、見た目は違っても実は同じ種類のものもあったりします。
それぞれの電気ストーブについて、特徴とメリット、デメリットを解説します。
ニクロム線ヒーター
ニクロム線ヒーターは、石英管で覆ったニクロム線を発熱体とした電気ストーブです。かなり昔からある電気ストーブで、ひと昔前までは電気ストーブの定番で人気がありましたが、暖房能力の弱さから最近は人気が低迷しています。そんなニクロム線ヒーターは価格がリーズナブルに購入できるため、足元暖房のようなポイント的な暖房として購入する方が今でも多いです。
- 安価である
- 構造がシンプル
- 暖房能力が弱い
- 暖まるまでに時間がかかる
ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターは、ハロゲンランプという発熱体による放射熱で暖める電気ストーブです。電気ストーブの中では最も暖房能力が弱いです。過去には発火事故が原因で人気が低迷したこともありました。暖房能力は弱いですが、暖まるまでのスピードが早いので、電源を入れるとすぐに暖まるのが特徴です。。
- 暖まるまでのスピードが速い
- 比較的安価
- 暖房能力が弱い
- 照射範囲が狭い
カーボンヒーター
カーボンヒーターは、ガラス管の中の炭素繊維に電気を流し、遠赤外線によって暖める電気ストーブです。遠赤外線の放射量はハロゲンヒーターの2倍ほどもあります。更に電気代はハロゲンの半分ほどで済みます。暖かくて電気代も安く済みますので、コストパフォーマンスに優れます。
- 遠赤外線量が多い
- 電気代が比較的安い
- ガラス管なので衝撃に弱い
グラファイトヒーター
グラファイトヒーターは、黒鉛を発熱体に使用した電気ストーブです。電源を入れた際の点火時間が早く、遠赤外線量もカーボンヒーターに勝ります。カーボンヒーターの上位互換のような立ち位置で、高機能なモデルが多いですが価格も比較的高い傾向にあります。デザインがおしゃれなモデルも多く、家具やインテリアと調和を図りたい人にもおすすめです。
- 遠赤外線量が多い
- 点火時間が早い
- 本体価格が比較的高い
シーズヒーター
シーズヒーターは、セラミックでコーティングした金属管によって密閉したニクロム線を発熱体とした電気ストーブです。セラミックを使用することで遠赤外線量が非常に多くなり、カーボンヒーターなどと比べても暖房能力が非常に高いです。ヒーターに金属管を使用していることもあり、水や衝撃にも強いのが特徴です。
- 遠赤外線量が非常に多い
- 水や衝撃に強い
- 価格が高い
セラミックヒーター
セラミックヒーターは、特殊加工されたセラミックを発熱させる電気ストーブで、ファンを回して温風を出すセラミックファンヒーターが一般的です。電源を入れてから暖まるまでのスピードが速く、コンパクトで持ち運びしやすいモデルが多いです。セラミックヒーターは本体価格が比較的安いので、足元暖房のようなちょっとした暖房が欲しい人にもおすすめです。
- 暖まるスピードが速い
- 持ち運びしやすい
- 温風が苦手な人には不向き
セラミックファンヒーターについては、電気代を始めとする特徴について別の記事でまとめていますので、気になる人はチェックしてみてください。
パネルヒーター
パネルヒーターは、パネルに内蔵された電熱線が電気で暖められて輻射熱を発する電気ストーブです。身体をじんわりと暖めるので、パネル自体の温度はそこまで高温にはなりません。触ってもやけどしにくいのがメリットです。パネルの大きさが大きいモデルほど広範囲を暖めることができます。(※触り続けることによる低温やけどには注意が必要です)
- やけどしにくい
- 手入れがしやすい
- 暖まるまでに時間がかかる
オイルヒーター
オイルヒーターは電気で本体内部のオイルを暖めることでパネルが暖まり、パネルからの放熱で部屋を暖める電気ストーブです。パネルからの放熱で暖めるため、瞬間的に温めることはできませんが、じんわりと時間をかけて暖めるのに適しています。また、放熱ですので乾燥せず、安全性にも長けています。赤ちゃんや小さい子どもがいる家庭にもおすすめです。
- やけどしにくい
- 温風が出ない
- 電気代が高い
- 暖めるまでに時間がかかる
オイルヒーターの詳細については別の記事で紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
オイルレスヒーター
オイルレスヒーターは非常に高性能な暖房器具です。オイルヒーターのメリットである、静かで空気を汚さず乾燥し難いという特徴を維持しつつ、オイルレスで暖まりの遅さ・重さの弱点を克服した電気ストーブです。電気ストーブの中では比較的新しい市場になります。本体価格も高いですが、それだけ高性能かつ高機能なモデルが多いです。
- やけどしにくい
- 暖房効率が高い
- オイルヒーターよりも暖まりが速い
- 電気代がやや高い
- 本体価格が高い
オイルレスヒーターの詳細については別の記事で紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
こんな人におすすめの電気ストーブ
おすすめの電気ストーブをタイプ別に紹介していきます。電気ストーブは種類が多く、それぞれの特徴が異なります。その為、シーン別や使い方によっては適した電気ストーブが異なります。どんなシーンにどの電気ストーブがおすすめなのか紹介します。
電気ストーブ|一人暮らし向け
一人暮らしにおすすめの電気ストーブは、自分ひとりさえ暖まれば良いのでポイント的に暖房ができるもので良いと思います。台所などに移動して使用することも考えると着けてすぐ暖かくなるものが便利かと思います。また、一人暮らしの方は予算をあまり用意できない人も多いと思いますので、安価で早く着いてポイント的に暖められる電気ストーブをおすすめします。
●ニクロム線電気ストーブ
●ハロゲンヒーター
●カーボンヒーター
電気ストーブ|子どもがいる世帯向け
小さい子どもがいる家庭では、やけどや事故の心配があります。誤って手を触れてしまった場合でもやけどしにくい電気ストーブが適していると思います。ポイント的に暖めるよりも部屋全体的にじんわりと暖めることで、ご家族みんなで快適に暖かく過ごせると思います。
●パネルヒーター
●オイルヒーター
●オイルレスヒーター
電気ストーブ|しっかり暖まりたい人向け
せっかく電気ストーブを使うならしっかりと身体が暖まるものが欲しいという方も多いと思います。仕事中の暖房や、お風呂上りの湯冷め対策など身体の芯から暖めるためには遠赤外線が多い電気ストーブが最適です。
●シーズヒーター
●グラファイトヒーター
●セラミックヒーター
電気ストーブのデメリットと注意点
気軽に買えてすぐに使える便利な電気ストーブですが、当然デメリットもあります。意外と知られていないことや勘違いされていることもありますので、電気ストーブを購入・検討する前に念のため確認しておきましょう。
電気ストーブは空気を暖めない
全ての電気ストーブが該当する訳ではありませんが、多くの電気ストーブは遠赤外線や輻射熱を利用した暖房器具ですので空気を直接暖めることはしません。基本的に熱を身体に直接浴びて暖をとるのが電気ストーブです。
暖房能力が弱い
電気は利便性が高い反面、灯油やガスを使用した暖房器具と比較すれば暖房能力は低いです。電気ストーブは発熱体の発する熱を利用していますが、石油ファンヒーターやガスストーブは燃焼熱を利用しています。そもそもの熱源の温度が全く違うのです。
火災に繋がりやすい
電気ストーブが原因となる火災事故は毎年多く発生しています。火災に繋がりやすいのは石油ストーブというイメージが多いですが、電気ストーブの火災件数が最も多いです。東京消防庁によると、暖房器具による火災事故の7割以上が電気ストーブが火元で発生しているとのことです。
消費者庁も電気ストーブの火災には注意喚起をしています。離れる際は電源を停止する、近くに可燃物を置かないなど気軽に使用できる電気ストーブですが、使用には十分注意しましょう。
(参考:消費者庁『電気ストーブや電気こたつの火災に注意しましょう!』)
電気ストーブのまとめ
電気ストーブは他の暖房器具と比べて手軽に購入できる反面、種類が多いために知識が無いと購入してから損をしてしまうこともあります。
お店の店員さんに聞くのも良いですが、まずは自分で調べてから使用用途に適した電気ストーブを探しましょう。