トヨトミ(toyotomi)の石油ファンヒーターを購入するか検討している方に向けたお役立ち記事です。トヨトミはダイニチ、コロナとともに石油ファンヒーターの三大メーカーとも言われております。ダイニチとコロナに比べると知名度やシェアは低いですが、様々な暖房機器を得意とするメーカーで、石油ファンヒーターにも力を入れています。知名度的にも少し選び難いかもしれませんが、検討している方の参考になればと思います。
1.トヨトミ 石油ファンヒーターの特徴
トヨトミの石油ファンヒーターにも他社と比べたときに良い点と悪い点があります。
主にこれは、メーカー毎に灯油の燃焼方式が異なることが理由です。
燃焼方式
トヨトミはポット式という燃焼方式を採用しております。
引用:ダイニチ工業HP
ポット式の原理は非常にシンプルです。蒸発皿に灯油をたらし、ヒーター熱で気化させてそのまま直接点火します。
これは大型の業務用石油ストーブや壁に固定するタイプ(FF式)のストーブと同じ仕組みです。
蒸発皿にたらした灯油を気化させてから点火するため、着火するまでは時間がかかります。
対して、一度燃焼を始めれば自身の熱で気化させ続けることができますので、ヒーターに通電する電力も非常に少ないです。故に、最も低消費電力の燃焼方式と言えます。
メリット・デメリット(他社比較)
トヨトミの石油ファンヒーターを他社のものと比較した場合のメリット・デメリットをまとめると下記のようになります。
・電気代が非常に安い
・不良灯油に強い
トヨトミ石油ファンヒーターの大きな強みは電気代の安さと不良灯油への耐性です。
電気代に関してはコロナも低消費電力ですが、トヨトミは更に省エネです。
同じ3.6kWクラスの最上位モデルの燃焼時(最大火力)消費電力を比べると、
▽最大火力燃焼時の消費電力
【ダイニチ】 FW-3719SGX :129W
【コロナ】 FH-WZ3619BY :22W
【トヨトミ】 LC-SL36H :20W
機種によって多少前後しますが、3メーカーで最も低い消費電力を誇ります。
ダイニチと比べればコロナもトヨトミも同じレベルですね。
また、トヨトミは不良灯油に強いため、耐久性に優れています。これも燃焼方式によるのですが、昨年の持ち越し灯油など多少の不純灯油であれば燃やし切ってしまいます。
燃焼構造がシンプルな分、燃焼部の故障や劣化は少ないかもしれません。
・着火するまでの秒数が長い
・ニオイが強い
前述したとおり、たらした灯油をヒーター熱で加熱して気化させますので、着火するまでの時間が長いです。カタログ上では着火まで90秒と表記されています。
コロナも燃焼方式に起因して着火秒数が75秒で長いですが、トヨトミは更に長いです。ダイニチの35秒が早過ぎるのかもしれませんが。
トヨトミはニオイが強いこともデメリットの一つ。これもまた燃焼方式に由来しますのでやむを得ないですが、口コミを見てもやはり他社より臭いと感じる人は多いようです。
2.トヨトミの石油ファンヒーター選び方ポイント
まず選ぶ際には部屋の大きさと、自分が何に重きを置くかということを明確にしましょう。これはすべての石油ファンヒーターに共通する点ですので覚えておきましょう。
▼石油ファンヒーターを選ぶ際のポイント
・暖房出力(kW)
・価格
・付加機能
暖房出力(kW)
トヨトミに限ったことではありませんが、石油ファンヒーターを選ぶ際の最重要点として、使用する部屋の大きさに適した暖房出力を選定することです。
使用する部屋の大きさに適した暖房出力の石油ファンヒーターを使用しないと、いつまでたっても部屋全体が暖かくならなかったり、過剰に運転し続けることで消費電力が大きくなり、電気代が上がってしまうという場合もあります。
とにかくまずは部屋の大きさに適したモデルから選びましょう。
例)LC-SL36Hの場合
上の図はトヨトミの石油ファンヒーターに表記されている指標です。確認する項目は、製品仕様欄に明記されている「暖房出力(kW)」とそれに応じた「部屋の畳数」だけです。一般的にコンクリートと木造で分けて表記されておりますので、自身のお部屋に合った方で比べてください。
◎表記されている畳数と実際の部屋の大きさが多少違っていても問題ありません。その場合、実際の畳数よりも少し大き目を選ぶことをおすすめします。
また、隙間風が多い部屋だったり、ガラス張りのような部屋についても大き目の出力を選ぶことで対応が可能です。
価格
部屋の大きさに適した暖房出力を決めたら、その出力タイプの中から好きなモデルを選びます。同じ暖房出力で価格が異なる場合、相応の付加機能が搭載されています。
付加機能は要らないからとにかく安いモデルが良いという場合は、ベーシックモデルを選べばOKです。
付加機能
同じ暖房出力のモデルでも各種機能が異なります。トヨトミの石油ファンヒーターには『消臭に特化した機能』や『快適暖房機能』など便利なものも多数あります。こだわりたいポイントがあれば、それに応じた機能を搭載するものを選べば良いです。
特にトヨトミには湿度センサーによる快適機能を搭載したモデルもありますのでチェックしてみてください。湿度センサーは他社では採用していません。
3.トヨトミのラインナップ
トヨトミの石油ファンヒーターには大きく分けて5タイプあります。
出典:トヨトミ公式HP
最上位クラスのSLタイプから、ハイブリッドのSHBタイプ、シンプルなSタイプ、スタンダードの330タイプ、アンティークモデルのLR-680Fです。
ラインナップの数は多くはありませんが、ダイニチとコロナには無い独特な石油ファンヒーターを揃えています。
SLタイプ
トヨトミの最上位モデルがSLタイプです。
暖房出力は3.6kW、4.3kW、5.3kWの3種類です。
『快適おまかせ機能』では室温だけでなく湿度もセンサーで検知し、体感温度を考慮して温度調整します。
人感センサーによる消し忘れ防止機能やリモコンでの遠隔操作も可能です。
SHBタイプ
トヨトミオリジナルの灯油と電気のハイブリッドファンヒーターです。
暖房出力は3.2kWです。
電気とのハイブリッドにすることで、石油ファンヒーターの弱点を補うという形になっています。
運転を開始してから予熱なしの3秒で温風が出るというのは、電気暖房でしかできない技です。灯油が切れた場合でも電気で暖房することが可能なため、寒い日にファンヒーターが止まるなんてことはありません。
ちなみに灯油での単独運転もします。
LC-331タイプ
トヨトミのスタンダードモデルになります。
暖房出力は3.3kWです。
消費電力は業界最小ということで、弱火力燃焼時はわずか5~6Wで燃焼可能。
ボトムクラスですので、トヨトミのラインナップの中でも売り上げのボリュームゾーンとなります。
LR-680Fタイプ
こちらは石油ファンヒーターとしてはユニークなアンティークモデルです。
暖房出力は6.8kWです
外観からもわかると思いますが、普通の石油ファンヒーターのみではなく、反射式の石油ストーブと合体したようなモデルになります。
遠赤外線によってじんわりと来る熱とファンによる微温風で心地よい暖房が可能です。
どこか暖炉のような温かい趣を感じ取ることができます。
4.おすすめモデル
◎ハイブリッドのSHBタイプがおすすめ!
引用:トヨトミ公式HP
個人的な考えになりますが、普通の『石油ファンヒーター』での比較はやっぱりダイニチとコロナの方が優れていると思います。知名度やシェアもそれを反映しているのではないでしょうか。
しかし、トヨトミにはトヨトミしかない石油ファンヒーターがあります。
特に電気とのハイブリッド石油ファンヒーターは、かゆいところに手が届く仕様ではないでしょうか。
引用:トヨトミ公式HP
電気暖房にもデメリットがあり、石油暖房にもデメリットがあります。デメリットを互いに補うことで、両者の強みを強みのまま活かすことができます。
特にトヨトミの弱点が着火までの秒数が長い点ですので、電気暖房の力でわずか3秒で温風を出せるようになりました。
また、燃焼が安定すれば石油暖房のみに切り替えるため、電気代の節約にもなります。
暖房機としては非常に優れた商品であることに違いありません。
ただし、デザインがイマイチですよね。
どうしても外観が気になってしまうのは私だけでしょうか。
デザインが良ければもっともっと売れるのではないかとも思ったりします。
5.まとめ
石油ファンヒーターの3大メーカーの一つとしてトヨトミを忘れてはいけません。
ラインナップ数やシェアでは他に劣るかもしれませんが、トヨトミにしか無い唯一無二の石油ファンヒーターがあります。
石油ファンヒーターを選定する際にはぜひ一度、トヨトミのモデルも見てから決めてみてはいかがでしょうか。