ハイセンスという家電メーカーの概要や評判について紹介します。冷蔵庫や洗濯機の白物家電、TVの購入時に見聞きした人も多いでしょう。ハイセンスは価格の安さが最大の売りですが、品質面や性能が心配にはなりませんか。そんなハイセンスとはどこの国のメーカーで、どのようなコンセプトの製品開発をしているのか。また、ハイセンス製品の信頼性や評判についてまとめて紹介いたします。
ハイセンスとは

ハイセンス(Hisense)とは、中国に本拠地を置く家電メーカーです。洗濯機や冷蔵庫などの白物家電から、テレビやオーディオまで手掛ける世界的にも大きな中国メーカーで、最近は日本でも名が広く知られています。グループ会社含めての主要製品は家電製品、通信機器、情報機器です。1969年にラジオ工場として設立したのが始まりで、当初はトランジスタラジオを生産していました。1970年にはブラウン管テレビを発売、1978年にはカラーテレビを発売しています。その後、1997年に中国初のインバータエアコン、2002年には中国初の液晶テレビを発売しました。以降、中国市場トップのテレビメーカーとなりました。
ハイセンス(Hisense)に加えて、科龍(Kelon)、容声(Ronshen)の計3つのブランドで世界に商品展開していました。更に、買収によって加わったのが、「TOSHIBA/REGZA」と「gorenje」の2つのブランドです。現在ではこの5つの商標をメインに市場参入しています。

2017年に日本国内で衝撃的なニュースとなったのが、東芝の子会社である東芝映像ソリューションがハイセンスグループに譲渡されたというものでした。事実上、東芝がテレビ事業「TOSHIBA/REGZA」を手放したということです。親会社がハイセンスとなるので、現在販売されている東芝のテレビは中国メーカー製ということになります。
東芝映像ソリューションを買収した後、続けて欧州の家電メーカー「gorenje(ゴレニア)」を傘下に入れました。gorenjeはスロベニアに本社工場を置くヨーロッパでもトップクラスの家電メーカーで、ハイセンスにとってはグローバル化を進めるのに非常に有力な武器を手に入れました。
日本では、ハイセンスジャパン株式会社が拠点をとして家電製品の輸出入や販売、サービスまで行っています。ハイセンスジャパン株式会社は2010年に設立し、2011年にはハイセンスの日本国内初進出となるテレビを発売しました。その後、冷蔵庫や洗濯機、エアコンと次々に日本の家電市場にハイセンスブランドを投入しています。2020年にはブランドアンバサダーとして綾野剛さんを起用し、4K液晶テレビの発売と合わせて注目を集めました。
・価値観
誠実・正直・革新的・雇用第一・持続可能な経営
・企業精神
敬人・敬業・創新・高効率
・企業姿勢
スピードと決断力をもって、粘り強く新しいビジネスを探求する。
引用元:ハイセンス公式HP‐企業理念
ハイセンスの魅力と評判
ハイセンスの家電製品が人気を呼ぶ理由はどこにあるのでしょうか。ハイセンスの魅力に迫っていきます。
ハイセンスの魅力とは
既に紹介しましたが、ハイセンスはテレビや白物家電で世界的にも非常に大きな規模を誇っています。中国メーカーと言えど、価格が安いだけではここまで世界的に大きな家電メーカーに成長するのは不可能です。価格の安さ以外にもハイセンスなりの強みがあったからこその革新だと思います。ここでは、まずハイセンスの魅力や強みに焦点を当ててみたいと思います。
安い割に品質が高い

ハイセンスの製品は品質が高いです。並みの中国メーカーとは違い、世界で戦うだけの品質レベルを保持しています。製品開発コンセプトとして、品質は大前提として考えており、中国国内では品質の高さを認める「第10回 全国品質賞」や「アジア品質最優秀賞」といった証を受賞しています。
他にも、IFA2018-国際コンシューマ・エレクトロニクス展で技術革新賞や金賞などを受賞、アメリカ最大のコンシューマーエレクトロニクス展 / CES 2019でもベストバリュー賞を受賞するなど、技術的にも期待できます。
更に、東芝やgorenjeが傘下に入ってからの技術力の躍進は大きく、日本でもハイセンス(東芝)が販売するTVのコスパの良さが絶大な人気を集めています。そのおかげで日本国内における薄型TVのシェアではハイセンス(東芝)が3位にまでなりました。
東芝の誇る技術が詰め込まれたTVが格安で購入出来たら、そりゃ文句なしで買ってしまいますよね。つまりは、ハイセンスの家電製品は価格は確かに安いですが、決して品質や技術が劣る訳ではないということです。
サポート対応が充実

ハイセンスは修理や問い合わせといったサービス体制も充実しています。日本国内には、2021年時点で93か所ものサービス拠点を設けていて、北海道から沖縄まで万全な体制が敷かれています。
サポートセンターへの問い合わせにも、年中無休で対応しています。電話、FAX、メールでも気軽に問い合わせができます。
ハイセンス公式ホームページでは、商品群別に問い合わせフォームと商品資料が用意されています。カタログ、取扱説明書、寸法図、据付説明書などもダウンロードできるため、ご自身で仕様について確認したい内容がある場合もスムーズに調べることが可能です。
製品保証も全ての製品に適応されています。2015年以降に発売されたTVであれば3年保証となっています。これは日本の大手家電メーカーと同レベルの保証期間で、中国メーカーの製品に不安を感じる人にとっても都合が良いのではないでしょうか。ただし、実際に修理対応するのはハイセンスが委託した外部業者となりますので、どうしても対応の質には差があるようです。
ハイセンスの悪い評判とは
全体的な価格が安く、製品品質と技術面でも優秀なハイセンスですが、少なからずデメリットや良くない評判もあります。実際に購入した方のレビューを参考に見てみると、気になる点や悪い評価コメントがいくつか見受けられました。
初期不良
ハイセンスの複数の製品で初期不良に対する声がありました。買ってすぐのテレビが電源が入らない、画面にノイズがあるなどといったものです。
しかしながら初期不良は、どの家電メーカーでも起き得るものです。家電製品で初期不良発生率0%は有り得ません。ですので、ハイセンスに限らず日本の大手家電メーカーですら、数パーセント程度の確率で初期不良が発生しています。よって、ハイセンスの製品に初期不良が多いのかどうかは実際のところ分かりません。
また、Amazonなどのネットで購入した場合、配送や運搬が乱雑に行われるという意見もあり、配送時の衝撃で故障に繋がっているという見方もあります。そういった時の為にも製品保証期間が設定されています。初期不良かな?と感じたら、まずはハイセンスのサポートセンターに問い合わせしてみましょう。
長く使えるかどうか不明
ハイセンス自体は1969年に設立したメーカーですが、日本の家電市場に参入したのは2011年です。日本人にとってはまだまだ新しい家電メーカーなので、ハイセンス製品を10年も20年も長期間使ったというデータはほとんどありません。
テレビは家電の中でも比較的寿命が長く、日本製のテレビであれば10年以上故障一つなく使っているという人も少なくありません。冷蔵庫や洗濯機も一度購入したら10年間使うことは珍しくないです。それだけ日本製の製品品質が高いということでもありますが、ハイセンス製品がどれだけの耐久力を備えているかは現時点では不明です。
東芝が傘下に入り、日本でもハイセンスが知られるようになった2017年以降からテレビを中心に売れ行きが好調となっています。よって、もう5年か10年経った頃に、ハイセンス製品の寿命についての声が出てくることかと思います。
ハイセンスの人気商品①TV
ハイセンスを代表する商品から順に紹介します。まずは主力のテレビです。ハイセンス扱うテレビのラインナップは非常に多いので、ほんの一部しか紹介できませんが、王道の人気モデルをピックアップします。
4K有機ELテレビ 55X8F

パネル方式 | 画面サイズ | 参考価格 |
有機EL | 55v型 | 153,900円 |
ハイセンスが手掛ける至高のテレビです。有機ELと高画質エンジン「NEOエンジンplus2020」によって繊細かつ鮮烈な映像美を作り出します。特徴を挙げるとキリがないですが、AIネット映像高画質処理によって低フレームレートからハイクオリティなコンテンツまで表現豊かに再現します。自社開発専用設計の冷却インナープレートを採用することで高いコントラスト感を可能にしています。デザイン自体も直線的かつ幾何学的な美しさがあり、洗練された印象を受けます。VGP2021ではコスパ大賞を受賞するほど、業界でもトップクラスのコストパフォーマンスを誇ります。
4K液晶テレビ 50E6G

パネル方式 | 画面サイズ | 参考価格 |
VA/RGB | 50v型 | 69,697円 |
NEOエンジンLite搭載の4K液晶テレビです。テレビの新しいスタンダードにもなり得るほど、必要な機能が充実しています。AIネット映像高画質処理による再現性の高さ、映像の特徴に合わせてノイズリダクションを行うエリア別クリア復元、エッジや平坦を識別して処理するクリアノイズ処理など、スタンダードクラスでも映像美に妥協はありません。また、Eilex PRISMという最先端の音響最適補正技術で明瞭度の高い臨場感あふれる高音質を実現します。ベゼルが無い機能美を追求したプロダクトデザインも美しいです。

ハイセンスの人気商品②冷蔵庫
ハイセンスの冷蔵庫もコスパが高くて人気です。同じ中国メーカーであるハイアールと並び、破格の安さで冷蔵庫を販売しています。特に一人暮らしや少人数世帯向けのサイズ(50L~150L程度)でラインナップが多く、とにかく安い冷蔵庫を求める人にとっては必ず選択肢の一つに入ります。
冷凍冷蔵庫 HR-B95A

ドア数 | 容量 | 参考価格 |
2 | 93L | 17,799円 |
単身世帯に人気のサイズです。価格は2万円以下で購入できますので、学生の一人暮らしにもおすすめです。デザインは角ばったフォルムがモダンな印象を受けます。上に電子レンジを乗せることが可能な耐熱トップテーブルとなっているので、狭いキッチンでもスペースを有効活用できます。ハイアールもこのサイズの冷蔵庫を得意としていますが、外観デザイン的はハイセンスの方がかっこいいかと思います。
冷凍冷蔵庫 HR-D15CB

ドア数 | 容量 | 参考価格 |
2 | 150L | 27,800円 |
スタイリッシュなデザインが特徴的な冷蔵庫です。カラーはブラックとホワイトから選べます。霜取り機能はファンが自動的に行いますので手間が掛かりません。ドアを閉め忘れた際にはアラームで知らせてくれるので電気代と省エネに繋がります。下の冷凍庫は2段式のスライドケースで、食べ物ごとの仕分けが容易です。
◎一人暮らし向けの冷蔵庫の選び方ポイントやおすすめモデルを他の記事でまとめていますので、気になる方はご参照ください。

◎ハイアールの商品が気になる方には、ハイアールについても個別にまとめていますのでご参照ください。

ハイセンスの人気商品③洗濯機
洗濯機もハイセンスの代表商品です。冷蔵庫と並んでハイセンスの二大白物家電となっています。洗濯機もやっぱりコスパに優れたラインナップとなっています。
全自動洗濯機 HW-K55E

洗濯・脱水容量 | 標準使用水量 | 参考価格 |
5.5kg | 約98L | 24,800円 |
洗浄力が高いコンパクトな全自動洗濯機です。独自設計のパルセーターが立体的で強力な水流を発生させることで汚れをしっかり落とすことができます。洗濯槽は「洗濯板式ステンレス槽」という表面に凹凸を設けた仕様で、洗浄力を追求しています。自動洗濯コースは8種類から使い分けることができ、必要な工程だけでも個別に設定することも可能です。
全自動洗濯機 HW-DG80A

洗濯・脱水容量 | 標準使用水量 | 参考価格 |
8.0kg | 約106L | 44,800円 |
ガラスを使ったデザインが美しい全自動洗濯機です。朝の出勤前など、急ぎで洗濯しなければいけない状況でも、最短10分で洗濯を完了させることが可能です。インバーター制御で振動や騒音が少ないので、集合住宅でも近隣への影響が気になりません。本体の幅は約53㎝というスリムなボディとなっているので、設置場所に困ることも少ないです。
◎一人暮らし向けの洗濯機について、他の記事でまとめていますのでご参照ください。

ハイセンスの人気商品④オーディオ
ハイセンスではオーディオ商品も開発しています。とは言え、主力製品としてテレビを開発していますので、オーディオスピーカーを手掛けていても特に違和感はありませんよね。
シアターサウンドシステム HS214

チャンネル数 | ユニット数 | 参考価格 |
2.1CH | 3 | 13,000円 |
VGP2021(国内最大級のオーディオビジュアルアワード)でコスパ大賞と金賞を受賞したサウンドバータイプのスピーカーです。業界トップクラスの大きさ78mm口径サブウーファーを内蔵しているので別に用意せずとも重低音を楽しむことができます。Bluetooth対応でスマートフォンやパソコンなどでも出力が可能です。高級感が漂うデザインで、どんなテレビにも調和します。
ハイセンスの人気商品⑤エアコン
日本国内のエアコン市場では立場が弱いですが、ハイセンスは家庭用セパレートエアコンも開発・販売しています。ラインナップ数は少ないですが、6畳用から14畳用まで揃えています。
エアコン HA-S28C-W

冷房能力 | 省エネ基準達成率 | 参考価格 |
2.8kW | 100% | 69,740円 |
ハイセンスのエアコンは日本ではあまり知られていませんが、驚くほどコスパに優れたエアコンです。ダブルクリーンシステムという内部洗浄機能を搭載しています。内部の熱交換器を-19℃まで冷やして凍らせた後に一気に解凍して汚れを洗い流す解凍洗浄、内部を乾燥させてカビの発生やニオイを抑制する内部クリーンのダブル機能で、本来は手入れが難しい室内機の内部を清潔に保つことができます。日本のメーカーでも同類の機能を採用していますが、本体価格はハイセンスよりも高く、高級機種にしか搭載していないことも多いです。それだけハイセンスのエアコンはコスパの良さが光ります。

まとめ
ハイセンスは中国メーカーですが、製品の品質や技術力は決して悪くありません。東芝やgorenjeなどの世界的なメーカーを買収したことも更なる成長へ拍車をかけています。
近年では、サッカーFIFA World Cup2018のオフィシャルスポンサーを契約したり、UEFA EURO 2020のオフィシャルパートナーとなったり、スポーツの世界にも頻繁に顔を見せるようになりました。今後も益々ハイセンスブランドを世界へ拡大していくことでしょう。
日本メーカー製にこだわらない方で、コスパに優れた家電を探しているのであればハイセンスの製品も検討してみてはいかがでしょうか。
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