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エアコンの電気代|つけっぱなしがお得は本当か?こまめに消すのとどっちがお得なのかに迫る!

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エアコンの電気代 つけっぱなしがお得は本当か

エアコンにかかる電気代の節電方法として冷房はつけっぱなしがお得という話を耳にします。しかし、本当にエアコンをつけっぱなしがお得なのでしょうか。実際にはつけっぱなしがお得となる場合とこまめに消した方がお得な場合があり、今回はその差について迫ってみます。他にも節電できるお得なエアコンの使い方があるので併せてご紹介します。

この記事の著者
yuiya
(@yuiya_blog)
  • 家電開発エンジニア
  • 家電LIFE 管理人
  • 家電ブロガー/4年目
  • WEBメディア 監修実績あり

目次

電気代|エアコンが占める割合

電気代

一般家庭の電気量の中で、エアコンの使用量が占める割合は7.4%です。家電製品の中では、冷蔵庫、照明、テレビに次いで4番目に電気使用量が多い家電となっています。更には、夏場の昼間に絞って考えると、エアコンの使用量は58%も占めているようです。

(※出典:資源エネルギー庁 平成21年度 民生部門エネルギー消費実態調査および機器の使用に関する補足調査より日本エネルギー経済研究所が試算)

多くの人にとってエアコンを使用するのは夏場と冬場のみになるので、この時期は特に電気代が上がってしまう状況となってしまいます。夏場と冬場の月々の電気代を春や秋の電気代と比べれば、エアコンに掛かるおおよその電気代がどれだけなのか実感することでしょう。

エアコン自体の性能向上に伴ってエアコンの電気代は年々減少傾向ではありますが、それでも大きな割合を占めることに変わりはありません。

つまり、年間の電気代を少しでも抑えたいと考えた場合、エアコンの使用量をどれだけ減らすかがポイントとなります。しかし、エアコンの無理な使用制限をすることは自身の体調不良に繋がりかねません。その為、エアコンの使用頻度を減らすのではなく、電気代がお得なエアコンの使い方をすることが節約のための最善策になります。

では、電気代を節約できるエアコンの使い方とは何でしょうか。

つけっぱなしがお得なのは本当?

エアコン冷房

最近になってよく議題に上がるのが、『夏の外出時はエアコンをつけっぱなしにした方が電気代がお得かどうか』ということです。結論から申しますと、エアコンをつけっぱなしにした方が電気代がお得なのは、時と場合によります。全ての状況に対して言えることではありません。

テレビやネットでよく見かける「エアコンの冷房はつけっぱなしのがお得」というフレーズをそのまま鵜呑みにしてしまう人も多くいます。私の知り合いにも、朝仕事に出かけて夜に帰ってくるような場合でエアコンをつけっぱなしにしている人がいました。さすがに日中の数時間、全く家にいないのにつけっぱなしがお得であるはずがないことはお分かりかと思います。

まずは、エアコンが最も電力を多く使うタイミングを見てみましょう。

エアコンが電力を多く使うのはココ!

エアコンの消費電力

エアコンが冷房運転をする中で最も電力を使うのは、運転を開始した直後です。なぜかというと、エアコンは室内の温度が設定温度に達するまでは最大パワーで運転します。室内温度が設定温度になってしまえば、あとは温度を維持するだけなので弱いパワーで運転します。

つまり、運転前の室内温度と設定温度に差があればあるほど多く電力を使います。その為、運転開始直後が最も電力消費が多く電気代に直結してしまうのです。

エアコンの冷房はつけっぱなしががお得と言われる理由もこのためです。

具体例を挙げてみると

外気温が35℃エアコンの設定温度を25℃とします。冷房運転を開始後しばらくしてやっと室内温度が25℃まで下がりました。そのタイミングで仮に20分程度の外出する用事があったとします。エアコンをつけておくのは勿体ないと思い、運転を停止してから外出しました。

するとどうなるでしょうか。外出から帰宅した際の室温は30℃近くまで戻ってしまいます。そこから再度エアコンの冷房運転を開始するとなると、35℃から25℃まで下げなければいけない最初と同じ状況になってしまうのです。当然、エアコンはまたフルパワーで運転しますから電力を多く消費します。

し、20分間の外出時にエアコンをつけっぱなしにしておけば、エアコンは弱いパワーで室温を維持し続けるだけです。一度エアコンを消した場合と、20分間つけっぱなしにした場合の消費電力を比較してつけっぱなしの方がお得ということになるのです。

ただし、気温状況や外出時間などによって比較結果は変わってきますので、外出する際にはつけっぱなしがお得になる目安となる時間や状況を把握しておくことが望ましいです。

つけっぱなしがお得な場合

外出時にエアコンをつけっぱなしにした方がお得なケースを見ていきます。つけっぱなしがお得がどうかは外出する時間の長さだったり、時間帯だったりによって変わってきます。また、エアコンのモデルによっても性能や機能は異なります。更には住宅の構造や断熱性、立地環境によっても大きく差が出てきます。ですので、あくまで一般的な目安として考えた場合の内容になります。

30分程度の外出時

外出

外出時のエアコンつけっぱなしは、30分を目安にすると良いです。世界的空調メーカーのダイキンが実証実験を行っています。マンションの一室で行った実験の結果によると、日中(9:00~18:00)であれば外出目安時間は35分、夜間(18:00~23:00)であれば18分が目安となるようです。各エアコンの性能や外気温の違いを考慮し、およそ30分程度の外出時であればエアコンはつけっぱなしがお得になります。

ダイキンの実験結果まとめ

●日中(9:00~18:00) 目安時間35分

●夜間(18:00~23:00) 目安時間18分

また、日中の外気温が高い時間帯ほど、基本的につけっぱなしの方が良いです。すでに紹介しましたが、エアコンは運転開始した直後の立ち上がり時が最も電気代がかかります。外気温と室内温度の差が大きいほど電気を多く使います。つまり、夜間は外気温が徐々に下がってきますので、日中に比べてエアコンの消費電力も少なくなります。

よって、外出する際のエアコンは外出時間の長さと、日中もしくは夜間の時間帯によってつけっぱなしがお得なのかどうかを判断しましょう。

エコ運転が可能なエアコン

エアコン 人感センサー

外出時など、人を検知して運転を制御できる機能が付いたエアコンは、つけっぱなしでもお得な場合が多いです。

エアコンの中には、人感センサーを用いたエコ運転機能を持つモデルも多くあります。例えば、シャープの「おでかけオートセーブ/オートオフ」機能やパナソニックのAI運転制御などです。センサーによって人の動きを検知し、自動的に運転パワーを弱めたり運転停止したりする機能です。

これらのアシスト制御が搭載されているエアコンなら自分でエアコンを停止しなくても、つけっぱなしで節電や快適性に考慮した運転を行ってくれます。仮に人を検知しなくなってから数時間経った場合は自動で運転をオフしてくれるので、消し忘れるということはありません。

ただし、こういった人感センサーやAI機能を使ったエアコンは高級モデルに多く、アパートやマンションに常設されているようなエアコンには搭載していないでしょう。

自宅のエアコンがおでかけアシスト機能や人感センサーを搭載した制御運転が可能か分からない場合は、エアコンに記載されている製品型式をインターネットで検索しましょう。機能が搭載されていれば、売り文句としてアピールされているはずです。もしくは、エアコン本体にプラスチックのレンズのような部品が付いていたり、リモコンのボタンに記載されているので確認してみましょう

つけっぱなしのデメリット

エアコン デメリット

短時間の外出であればエアコンをつけっぱなしにすることのメリットはもうお分かりかと思います。では、つけっぱなしにすることのデメリットは何かあるのでしょうか。

メンテナンス頻度が増える

つけっぱなしにした分だけ、エアコンのフィルターや熱交換器に溜まるホコリの量は増えます。熱交換には水滴が発生したりもしますので、内部が汚れやすくなります。よって、運転時間が長くなればなるほど、こまめに消す場合よりも掃除する頻度は増えてしまうことは言えるでしょう。

ただし、エアコンは運転していなくてもホコリが堆積しますし、少なからず運転しているのであればどちらにせよメンテナンスは必要となります。掃除の頻度が多少増える程度であれば、あまり大きなデメリットにはならないかと思います。

湿度が下がりやすい

エアコンの冷房運転は、室内空気の水分を奪うことで空気を冷やします。そのため、エアコンを運転しない場合と比べて室内の湿度は下がります。そもそも日本の夏はジメジメと湿度が高いので、エアコンの冷房によって乾燥し過ぎることは稀なのかもしれません。

それでも湿度を高めに維持したい人やカラカラの空気が苦手な人は、別に加湿器などを用意して湿度調節することをおすすめします。就寝時にも暑くてエアコンをつけっぱなしで寝る人は多いですが、朝起きたら喉が乾燥によって痛くなってしまうケースもあります。温度だけでなく湿度影響も考慮し、寝るときはなるべく弱い運転にする方が良さそうです。(参考:理想の湿度について|yuiyablog

お得なエアコンの使い方

つけっぱなしがお得な目安は紹介しましたが、その他にもエアコンを効率的にお得に使うためのポイントがあります。

風量設定は自動運転がお得

エアコンの風量設定は自動運転が最も効率的でお得です。イメージ的に「弱い風量で運転させた方が消費電力が少なくて済むのでは?」と思われがちですがそれは間違いです。エアコンは設定温度に対して自動的に運転レベルを制御します。自動運転にしておくことで、エアコンが自動で効率の良い切り替え制御をしてくれます。

風量設定が弱(微風や静かなど)の場合、室内温度を効率的に調整することができません。返って冷却効率が悪くなってしまい余分な電気を使ってしまいます。外気温が高い日は特に顕著で、弱なので室温はなかなか下がらず、尚且つ電気代は余計にかかってしまうといったことになります。

今のエアコンは非常に賢いです。電気代を節電したいと考えるのであれば、風量は自動運転にすることが得策です。

扇風機との併用

サーキュレーター

今や当たり前の話ですが、扇風機やサーキュレーターを併用することでエアコンの電気代を節約できます。エアコンの風はなかなか部屋の隅々まで届きません。そうなると、部屋のなかでも温度のムラができてしまいます。ムラによって設定温度に室温がなかなか冷えないとエアコンが感知してしまい、過剰に運転を強めてしまいます。

また、エアコンだけでなく人が感じる温度にも影響が出ます。冷えている箇所は冷えているのに、人がいる場所は上手く冷えない場合、私たちはエアコンの設定温度を下げてしまいがちです。設定温度が電気代に直結することは次に紹介しますが、いかに設定温度を下げずに部屋全体の温度を均一にするかが重要になります。

扇風機やサーキュレーターを併用することで、部屋の隅々まで冷えた空気が行き渡ります。エアコンも余計なパワーを使わずに、効率良く設定温度を遵守できるということです。

扇風機やサーキュレーターについて、選び方やおすすめモデルまで紹介しています。気になる方はご参照ください。

設定温度も重要

エアコンの設定温度

エアコンの設定温度による電気代の違いも非常に大きいです。一般的に冷房の設定温度を1℃上げることで、10%程度節電することができます。環境省が推奨しているの室内温度は28℃です。あくまで室温が28℃目安であって、冷房の設定温度が28℃ではありません。

ダイキンによると、私たちが夏の冷房時に快適と感じる室内温度は26~28℃だそうです。これを考えると、環境省が提唱する28℃というのは、快適に過ごせる室温範囲の中で最も節電できる温度ということです。エアコンの設定温度を下げ過ぎて、部屋が過剰に冷えてしまうことはよくあります。必要以上に冷やし過ぎないことが節電にもつながるということです。

●参考記事: Looopでんき-エアコンの温度が電気代に大きく影響!快適に過ごしながら節電するコツを紹介。

●参考記事: 冷房と除湿、どう使い分けるのが効果的?|ダイキン工業

定期的なお手入れ

フィルターなどの定期的なお掃除はエアコンの性能維持に繋がります。フィルターや熱交換器が汚れたままではエアコン本来の能力を発揮することができず、冷房効率が落ちてしまいます。冷房効率が落ちれば無駄な消費電力が増加して電気代に直結します。

エアコンは空気を吸い込み、発生した水を屋外へ排出しています。そのため、エアコンの内部はどうしてもホコリやカビが発生しやすい環境となってしまいます。フィルターのお掃除や、数年に1回のエアコンクリーニングが大切となります。電気代だけでなく、私たちの身体への影響も考慮して定期的なメンテナンスを実施しましょう。

部屋の断熱性を高める

窓の断熱性

エアコンの冷房効率や暖房効率を高めるという目的で、部屋の断熱性を高めることも重要なポイントとなります。断熱性を高める具体的な方法としては、窓に断熱シートを貼る、窓やドアの隙間に隙間テープを貼る、カーテンを厚地のものに変えるなどです。

最も外気温度の影響を受けてしまう箇所は窓です。窓が多い戸建て住宅は、窓が少ないマンションの一室などに比べて外気温からの影響を受けやすいです。高断熱の窓ガラスを使用していれば影響は少ないですが、それでも窓から外の熱が伝わってきます。市販の断熱シートを窓ガラスに貼るだけでも十分な効果が期待できます。これは夏だけでなく冬にも同様の効果をもたらしてくれますので、とてもコスパが良い節電対策になります。

まとめ

今回はあくまで電気代としてお得かどうかの内容でした。ただ、快適性を考えた場合、エアコンをこまめに消すよりも常時運転させて方が快適であることは明らかです。エアコンは室温だけでなく、湿度も下げてくれます。電気代を節約したいのは誰もが考えることですが、自分が快適に過ごせるかどうかを天秤にかけて程よくお得に使用していきたいものですね。

エアコンに詳しくない初心者の方へ向けたエアコンの選び方も紹介しています。気になる方はご参照ください。

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