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石油ストーブのメリット・デメリットとは?知っておくべき石油ストーブの知識や特徴を紹介

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石油ストーブのメリットとデメリット

この令和の時代に石油ストーブを使うメリットって何があるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。

そんな石油ストーブ初心者の為に、石油ストーブのメリットとデメリットを合わせて解説します。

石油ストーブはひと昔前から日本中で活躍している暖房器具の代表ですが、最近では見かけることもずいぶん減ってきました。しかし、とある出来事をきっかけに再び石油ストーブの必要性が見直されることになりました。それは石油ストーブにしかないメリットに由来するものでした。

これから石油ストーブなどの暖房器具の導入をお考えの方にとって有益な情報となれば幸いです。

この記事の著者
yuiya
(@yuiya_blog)
  • 家電開発エンジニア
  • 家電LIFE 管理人
  • 家電ブロガー/4年目
  • WEBメディア 監修実績あり

目次

石油ストーブとは

石油ストーブ

若い世代にとっては石油ストーブというものにあまり馴染みが無く、何のことを言っているのかイマイチ分からないという人も多いです。そんな人の為にも石油ストーブの概要から説明します。

石油ストーブとは、その名の通り石油(灯油)を燃料とした暖房器具です。石油ファンヒーターも灯油を使用しますが、一般的に石油ストーブとは異なります。

石油ストーブは燃焼するのに電源を必要としないため、コンセントが無い場所でも暖房することができます。

石油ストーブにはいくつか種類がありますが、大きく分けて反射式対流式があります。反射式の石油ストーブは、燃焼筒と呼ばれる丸い円筒が赤熱することにより輻射熱を出します。分かりやすく言うと、遠赤外線が多い石油ストーブです。

一方、対流式の石油ストーブは上方向へ熱対流を促し、空気を循環させるように燃焼・暖房するので対流式と言います。

反射式は前側へ遠赤効果、上方向へ対流熱を発します。対流式は上方へ熱対流し、かつ全方位へ放熱します。反射式の石油ストーブは青炎燃焼という火炎に対して、対流式は白炎燃焼という異なる燃焼状態になります。(一部例外あり)

どちらも同じ石油ストーブですので、基本的な暖かさは変わりません。暖かさは暖房出力という時間当たりの灯油消費量から算出される指標に基づきます。

反射式、対流式に関わらず暖房出力の数値が大きいほど暖かさも大きいです。

石油ストーブの燃費が気になる方には、別の記事で暖房出力から分かる燃費について解説しています。チェックしてみてください。

石油ストーブのメリット

石油ストーブの主なメリットを紹介します。冒頭で「石油ストーブはある出来事をきっかけに再び注目を集めた」と紹介しましたが、その理由は石油ストーブにしかないメリットによるものでした。

電気を使わない

電源

石油ストーブの最大のメリットが電気を使わずに暖房することが可能であるということです。石油ファンヒーターやエアコン、電気ストーブなどは電源(電気)が無ければ、一切使用することができません。

しかし、「電気が無い状況なんて滅多にないのでは?」と思う人もいらっしゃるでしょう。確かに、現代において電気が全くない環境というのは滅多にありません。それでも、もしその電気が止まってしまった場合にどうなるでしょうか。

台風や水害、落雷、大雪などの天災によって停電してしまう状況というのは意外と少なくありません。もし、その停電が冬だった場合、電気を使って暖を取ることができなくなります。そんな状況でも石油ストーブは灯油さえ入手すれば停電していても暖房することができます。

石油ストーブが再び脚光を浴びたある出来事とは

石油ストーブが注目を浴びたある出来事とは、2011年3月に発生した東日本大震災のことです。東北地方の3月は、まだまだ冬の寒さが厳しい時期です。そんな中で、地震によって東北各地でライフラインが寸断されてしまいました。電気が止まってしまった家庭は東京電力管内で405万世帯、東北電力管内で440万世帯で、これだけの世帯と人数が数日間の間電気を使用することができませんでした。

そんな電気が使用できない真冬の状況の中で、石油ストーブが救世主となりました。灯油はガソリンスタンドや各家庭に貯蓄されていることが多いため、まず途絶えることはありません。そのため、停電した状況下でも石油ストーブは暖房として、灯りとして、更には調理用として、避難所・一般家庭で大活躍したということです。

東日本大震災をきっかけに日本全体として防災意識が高まり、電気を使用しない石油ストーブは防災備蓄製品として脚光を浴びております。それ以外でも、体育館や倉庫などのコンセントが近くにない状況での暖房にピッタリですから、趣向用として購入する方も多いそうです。

2017年にコロナ・トヨトミの石油ストーブが防災製品等推奨品認証を取得し、公に備蓄すべき製品として推奨されることとなりました。(防災製品等推奨品認定証とは、内閣府・防災推進協議会構成団体の一般社団法人『防災安全協会』が定めるものです)

2022年12月に新潟県を中心に記録的な大雪に見舞われました。大雪が影響して各地で大規模な停電が数日間続いた状況下では、電気を使わない石油ストーブの需要が急上昇しました。令和の今、石油ストーブは防災用品として脚光を浴びています。

温風(風)が出ない

石油ストーブには回転するファンがないので、温風(風)を出しません。暖房の風を身体に直接当てたくないと考える人は非常に多く、ファンヒーターやエアコンのような温風暖房を嫌がる人に石油ストーブは選ばれています。

石油ストーブは自然の燃焼による対流で部屋全体を暖めます。ファンを使った強制的な温風ではなく、対流に加えてじんわりと暖まる輻射熱が心地よいという声も多いです。

音が静か

石油ストーブは、燃焼音が非常に静かです。電気・電源を使用していませんので、ファンが回転する時のブーンという騒音はありません。また、燃焼方式は灯油が自然に気化しているだけですので、石油ファンヒーターのようなゴーという燃焼音もしません。

本当に無音に近い感覚です。耳を澄ましていても、給油タンクの灯油が下へ落ちる際にボコッという音が極稀にする程度です。集合住宅での騒音や、ファンの回転音などが気になるという人には石油ストーブは最適な暖房器具です

集合住宅では灯油を使った暖房器具の使用を禁止している物件もありますので、使用する際は規約をしっかり確認する必要があります。

熱を利用できる

石油ストーブは暖房すると同時に、熱を利用してお湯を沸かしたりすることができます。石油ストーブの上面はドラフトする燃焼熱によって非常に高温になります。その上に水を入れたヤカンを置けば水を沸かすことができますし、鍋を置けば温めることができます。

実際には、メーカー側としては保証していない使用方法ですが、暖房しながら簡単な調理までできることは寒い台所で料理する人にとっては非常にありがたいことではないでしょうか。おじいちゃんやおばあちゃんの家に行くと、今でも石油ストーブでお餅を焼いていたりすることもありませんでしょうか。

石油ストーブでお湯を沸かしたり、食材を温めたりする場合はあくまで自己責任となります

持ち運びしやすい

電気・電源を使わないので電源コードもありません。燃料となる灯油はカートリッジ式のタンクに入れますので、どこにでも持ち運んで使用することができます。

石油ストーブは小型のものから大型のものまで多種多用にありますが、その多くは女性一人でも楽々持てる重さとなっています。リビングや台所、寝室、玄関、倉庫、ガレージなど、ありとあらゆる環境で暖を取ることができるのは魅力的です。

加湿できる

これは石油を使った暖房器具やガスを使用した暖房器具の大半に共通したメリットですが、石油ストーブは化石燃料を燃焼しているで、お部屋を加湿することができます。灯油を1ℓ燃やすと、約1ℓの水を大気中に放出します。

室温の上昇に伴って相対湿度は下がってしまうこともありますが、基本的には加湿し続けているので他の暖房器具を使うよりも乾燥しにくいのが大きなメリットです。

石油ストーブが加湿する原理については、詳細を別の記事で解説していますので気になる人は参考までにチェックしてみてください。

石油ストーブの上にヤカンを置いて二重で加湿する家庭もありますが、状況によっては加湿し過ぎにより壁や床にカビを発生させてしまいますので注意が必要です

構造がシンプル

石油ストーブは内部の構造がシンプルなので、故障が少なく耐久性に優れています。普通に使用していれば10年以上は平気で使えます。ただし、石油ストーブは電気を使わないため安全装置が少ないです。10年超えていれば、まだ使えそうだと思っても寿命を待たずに買い替えた方が良いと思います。

石油ストーブの寿命については〔日本ガス石油機器工業会〕による規定(設計標準使用期間)で、各メーカーとも8年として定めていますので、これを目安に買い替え準備を進めることをお勧めします。

石油暖房器具の寿命(設計標準使用期間)については、別の記事にまとめていますのでご参照ください。

意外とクリーン

石油ストーブや石油ファンヒーターは空気を汚すと思われがちですが、それはあくまでエアコンや電気暖房と比較した場合の話です。実際は、ほんの微量の一酸化炭素などを放出するだけで、これは人体には全く影響がありません。

石油ストーブは日本産業規格(通称JIS;2019年まで日本工業規格)にて製品企画が厳しく定められていて、通常燃焼時の一酸化炭素は石油ストーブの真上でもほんの数ppmとのことです。人間が軽い頭痛などの症状が現れる一酸化炭素濃度は空気中(部屋全体として)で200ppmほどですので、非常に少ないことがわかると思います。

石油ストーブよりも、たばこを吸っている人が吐く息の方が一酸化炭素量が多いようです。ヘビースモーカーの人は25ppm以上で、石油ストーブよりも喫煙者に近寄らないことを優先すべきです

石油ストーブのデメリット

石油ストーブには他の暖房器具には無いようなメリットが多いですが、注意しなければならないデメリットもいくつかあります。

安全装置が少ない

安全装置

電気を使用しないことの最大のデメリットが安全装置を搭載できないということです。唯一の安全装置は対震自動消火装置です。地震やぶつかった際に振動を検知して自動的に消火します。その他にはありません。

万が一異常な燃焼をしていてもセンサーなどで検知ができないので、そのまま燃焼を継続してしまいます。普段使いでは特に支障はありませんが、万が一の時にちょっと頼りないです。

ヤケドしやすい

石油ストーブは筐体が非常に高温になります。上面は特に温度が高く、誤って手を触れてしまうとヤケドしてしまいます。特に、小さな子どもがいる家庭では石油ストーブを使用するのは億劫かと思います。

そんな場合にはストーブガードを使用することをおすすめします。石油ストーブの周囲を柵で囲うことでむやみに近づけないようすることができます。

温度設定ができない

エアコンや石油ファンヒーターでは、設定温度を決めれば自動的に室温が設定温度になるまで暖房します。設定温度に達すれば自動で暖房を弱めます。しかし、石油ストーブにはそもそも設定温度という概念がありません。ONとOFFだけの暖房器具です。

どういうことかと言うと、燃焼している最中は室温がどこまでも上昇してしまうということです。部屋が暖まったからといって石油ストーブを消してしまうと、またすぐに冷えて寒くなります。暖房出力(燃焼火力)を調節できる範囲も大きくはありません。なかなか自分の思う室温に設定できないもどかしさがデメリットです。

石油ストーブの火力調節可能な幅は、排気ガスの観点から燃焼しても安全な範囲を設定しているので、調節幅を超えて使用してしまうと健康被害のリスクがあります。

ニオイがきつい

機種によってニオイへの対策も異なりますが、石油ストーブは点火時と消火時はどうしても臭くなります。このニオイの原因は未燃ガスによるものですので、消火時はゆっくりと火を消すことでニオイを低減することができます。ゆっくり消すと未燃ガスをちょっとずつ燃やしながら火を弱めるからです。

ちなみに一酸化炭素は無臭で、無色透明です。たまに、一酸化炭素が臭いという人がいますが、実はあれはすべて灯油の未燃ガスによるニオイです

おすすめの石油ストーブ【5選】

家庭用石油ストーブの主なメーカーは、暖房商品で有名なコロナトヨトミ、おしゃれな家電で人気のアラジンの計3メーカーがシェアを占めています。どのメーカーも基本は日本国内での生産になりますので、安心して使用することができます。

コロナのおすすめ石油ストーブ

反射式石油ストーブ|SX-E3522WY

コロナの石油ストーブSX-E35タイプ
出典:amazon.co.jp

コロナの反射式石油ストーブの中で最上位モデルになります。遠赤外線量が多く、燃焼時や消火時の消臭にも特化しています。燃焼火力を調節できる範囲も大きいので、使い勝手が良いのが特徴です。モデル選びに迷ったら選んでおけば間違いない石油ストーブです。

対流式石油ストーブ|SL-5122

コロナの対流式石油ストーブSL
出典:amazon.co.jp

ロングライフデザイン賞も受賞している対流式石油ストーブSLシリーズ。円筒型の内部から除く白く輝く炎が暖かく、落ち着きを与えてくれる人気商品です。停電時などには灯りとしても活躍します。対流式なので、部屋全体を暖める能力に長けており、集会所などの広い空間にも適した暖房出力を有しています。

トヨトミのおすすめ石油ストーブ

反射式石油ストーブ|ダブルクリーンRC-W360

トヨトミの石油ストーブ
出典:amazon.co.jp

トヨトミの反射式石油ストーブの中での最上位モデルです。ダブルクリーンという独自技術の二段階燃焼構造によって、遠赤外線量アップに加えて未燃ガスを燃やし切ることで嫌なニオイを低減しています。燃焼筒の後ろにある反射板は段々になっていることで、遠赤外線を拡散します。上部の白炎燃焼による明るさも魅力です。

対流式石油ストーブ|レインボーRB-250

トヨトミの石油ストーブレインボー
出典:amazon.co.jp

トヨトミの人気シリーズである対流式石油ストーブの「レインボー」。七色に輝く炎が美しいことからレインボーと名付けられました。おしゃれなデザインと独特の雰囲気が魅力で、アウトドアで使われるケースも多く見られるようになりました。このレインボーシリーズをベースとした機種は多くラインナップしており、各々が異なるコンセプトで作られています。

アラジンのおすすめ石油ストーブ

対流式石油ストーブ|ブルーフレームBF3911-G

アラジンのブルーフレーム
出典:amazon.co.jp

おしゃれな石油ストーブの代表であるアラジンのブルーフレームです。レトロなデザインがノスタルジックな空間を作り出します。対流式では珍しい青炎燃焼方式で、キレイな青い炎が観る人を落ち着かせてくれます。暖房出力も比較的高く、これ1台で文句ない暖かさです。

おしゃれな石油ストーブも

燃焼しているだけでノスタルジックな雰囲気を醸し出す石油ストーブ。デザイン性や見た目の雰囲気でモデル選びをする人も多いです。そんな人の為におしゃれな石油ストーブについて、個人的におすすめなものを別の記事にまとめていますので、参考までにチェックしてみてください。

冬キャンプにおすすめの石油ストーブも

アウトドアブームの人気もあり、冬キャンプでの石油ストーブの需要も高まっています。そんな冬キャンプにおすすめの石油ストーブについても紹介しています。

キャンプでの石油ストーブの使用には注意しなければならない点もあります。テント内での使用や屋外での使用になると、メーカーとして禁止している製品も多いです。まずは取扱説明書を読んだ上で、使用できるのかできないのかを把握する必要があります。また、もしメーカーが規定している以外の場所で使用する場合は、全て自分の責任の元で使うことになります。

最近では石油ストーブメーカーとアウトドアメーカーがコラボした商品を開発することも増えてきました。そういった商品は専用のテントやシェルターでの使用が許可されていますので、気になる人はチェックしてみて下さい。

災害時の備えにも石油ストーブがおすすめ!

冬場の大雪による停電の中でも救世主となる石油ストーブ。古くから愛される石油ストーブですが、普段使いの暖房用としてだけでなく、災害時のための防災備蓄品として購入してみても良いのではないでしょうか。

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