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石油ファンヒーターと石油ストーブの違いとは|同じものだと思ったら大間違い!特徴に迫る!

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石油ファンヒーターと石油ストーブの違いとは

石油ファンヒーターと石油ストーブは同じものだと思っていませんか。どちらも灯油を使う暖房機器という意味では同じですが、一般的には「石油ファンヒーター」・「石油ストーブ」と言うと異なるものを指します。若い世代や比較的温暖な地域に住む方にとってはあまり馴染が無いため、意外と知らない人も多いようです。そんな方の為に、石油ファンヒーターと石油ストーブの違いをご説明します。

目次

石油ファンヒーターと石油ストーブの違い

石油ファンヒーターと石油ストーブの違い

石油ファンヒーターと石油ストーブは何が違うのかを解説していきます。

先に結論から申します。石油ファンヒーターと石油ストーブの違いは以下の通りです。

石油ファンヒーターと石油ストーブの違い
  • 電気を使用するかどうか
  • 回転ファンを使用するかどうか

石油ファンヒーターのように回転ファンで温風を吹き出すためには電気が必要となります。しかし、石油ストーブは回転ファンを使わないため、電気さえ必要としません。

これが最も大きな違いとなりますが、石油ファンヒーターと石油ストーブを簡単に紹介し、共通する点にも触れていきます。

石油ファンヒーター

石油ファンヒーターとは

石油ファンヒーターとは、灯油を燃焼させて回転するファンによって温風を吹き出す暖房器具です。家庭用の100Vコンセントで動きます。

言い方によってはシンプルに「ファンヒーター」と言ったり、地域が違うと「灯油ファンヒーター」などと言ったりもします。三菱電機によって、1978年に初めて商品化されてから現在も尚、暖房機器の代表のような存在です。特に、北日本や山間部などの寒い地域の人に親しまれています。

石油ファンヒーターには、FF式と呼ばれる壁に取付けるタイプの種類もあります。FF式では、壁の穴から配管を屋外に出すことで、吸気・排気とも外の新鮮な空気を使用します。ただし、ここの記事ではFF式は別ものとして扱います。

石油ファンヒーターについては下記の記事にまとめているので、詳細が知りたい人は参考にしてみてください。

石油ストーブ

石油ストーブ

石油ストーブとは、電気は使わずに灯油を燃焼させるだけで暖を取ることができる暖房器具のことです。

灯油ストーブポータブル式石油ストーブとも言ったりします。1950年代から日本国内でも商品化されるようになり、当時は爆発的な大ヒットを記録しました。現在では徐々に姿を消しつつありますが、それでも寒い地域では安定した市場として石油ストーブが使われ続けています。

細かく言えば、石油ストーブにも燃焼方式によって種類が異なりますが、電気を使わずに灯油を燃焼させるものを広く石油ストーブと呼びます。現在に残る石油ストーブに限って言えば、すべてが灯しん式の燃焼方式になります。灯しん式というのは、簡単に言えばアルコールランプのように、繊維が灯油を吸い上げて気化させ、点火させます。電気を使わずとも自然の原理で灯油が無くなるまで燃焼し続けることが可能です。

共通する点

同じ灯油を使用する暖房器具ということもあり、石油ファンヒーターと石油ストーブには共通する点が多数あります。

共通点① 灯油式

名前の通りですが、石油ファンヒーターも石油ストーブも灯油を燃焼させて暖房するという点で同じです。使用するのは灯油なのに、名前には石油と付くのかは分かりません。カートリッジ式タンクや固定されたタンクに灯油を給油し、各々の方法で気化した灯油に点火します。

共通点② 熱交率100%

石油ファンヒーターと石油ストーブの熱効率は100%で、暖房能力が非常に高いです。石油ファンヒーターも石油ストーブも室内で燃焼を完結します。これは、室内の空気を吸い込んで、すべて室内に吐き出すという意味です。つまり、灯油の燃焼による熱量が全て室内に放出されます。屋外などへも熱量をロスしないため、暖房効率で考えると100%で非常に高いです。

壁に取り付けるタイプのFF式の石油ファンヒーターは除きます。FF式では屋外へ排気する際に熱をロスします

共通点③ 加湿する

室内にて灯油の燃焼を行いますので、石油ファンヒーターも石油ストーブも暖房する際に部屋を加湿します。灯油を1L燃焼させると約1Lの水を空気中に放出します

これについても、FF式の石油ファンヒーターは除きます。FF式では燃焼後の排気はすべて屋外へ放出してしまうため、その排気に含まれる水分もすべて外へ捨ててしまいます

なぜ石油ファンヒーターや石油ストーブが加湿するの?」と疑問に思われた人がいましたら、石油ファンヒーターや石油ストーブが加湿原理について解説している記事がありますので、こちらをご参照ください。

石油ファンヒーターの特徴

石油ファンヒーター

石油ファンヒーターの特徴を紹介します。ここでは、石油ストーブと比較した場合に石油ファンヒーターの方が優れている点・メリットを紹介します。

速暖性

石油ファンヒーターは、数ある暖房器具の中でも速暖性(部屋が温まるスピード)で言えばトップクラスです。石油ストーブについても灯油を燃焼させているという点から、他の暖房器具と比べたら優秀です。

ただ、石油ファンヒーターと石油ストーブと比較した場合、自然対流で部屋の空気を暖める石油ストーブと、強制対流で暖める石油ファンヒーターでは、石油ファンヒーターに軍配が上がります。

石油ストーブの場合、器具の上面側から上方向へ対流熱を出しますが、石油ファンヒーターは床に近い位置で水平方向に温風を吹き出します。その為、部屋の高い位置と低い位置で温度差が生じにくいことも特徴です。さらに、マイコンで燃焼を制御しているため、安全性を保った上で強い火力で燃焼させることが可能となっています。

基本的に同じ暖房出力(燃料消費量)の石油ファンヒーターと石油ストーブは、暖房能力(暖房出力)という点では同じですが、部屋全体の空気を均一に暖める時間は石油ファンヒーターの方が速いということです。

安全性

安全性においても石油ファンヒーターに軍配が上がります。石油ファンヒーターは電気(電源)を使用して制御しますので、数多くの安全装置が搭載されております

石油ファンヒーターの内部には温度を検知するサーミスタが複数装備されていますので、吸気口や吹き出し口が何かで塞がれた場合でも異常を検知して自動的に停止します。他にも、炎検知器と言われる部品が燃焼状態を常時検知しながら運転しますので、異常な燃焼が起きてもエラーを出して停止します。切り忘れ防止の3時間後の自動消火制御もあります。

また、地震などの揺れに対する対震自動消火装置や、給油する際にタンクを抜いたら消火する給油時の自動消火装置などもありますが、この二つは石油ストーブにも設けられています。

こういった安全装置のおかげで、石油ファンヒーターによる火災事故は現在ほとんど起きていないようです。

最低限の安全装置は、日本工業規格(通常JIS規格)によって搭載することが定められています

機能性

石油ファンヒーターには、多種多様な機能が搭載されています。モデルのグレードによっても機能の種類が変わってきます。標準的な機能で言えば、ON/OFFタイマー機能省エネモードなどです。ボトムクラスのモデルでも最低限備わっている機能になります。ハイグレードなモデルになると、リモコン機能動くルーバータンク内の油量が分かるモニター表示機能など、至れり尽くせりです。

石油ストーブに付いている機能といえば、メーカー・機種によって手回し発電による点火装置などがあります。ただ、便利機能と言えるほどの機能はほとんどありません。電気を使わないのでそこは仕方がありません。

石油ストーブについては機能が少ないからこそ、故障しにくいという利点もあります

◎石油ファンヒーターの特徴やおすすめモデルを他の記事でも紹介していますので、気になる方はご参照ください。

石油ストーブの特徴

対流式石油ストーブ

次に石油ストーブの特徴を紹介します。石油ストーブは電気を使わないから不便なのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。石油ストーブだからこその強みがあります。ここでは、石油ファンヒーターと比較した際に勝る点・メリットを挙げていきます。

電気が無くても使える

電気不要で暖房できるのが石油ストーブの最大の強みです。電気・電源を使わずに暖房することができるのは、現代では非常に貴重な存在です。

他の暖房器具は石油ファンヒーターだけでなく、エアコンや電気ストーブ、オイルヒーターやパネルヒーターなど、これら全ては電気が無ければ、ただのガラクタと同然になります。仮に、寒い真冬に停電してしまったら凍え死んでしまうかもしれません。

2011年3月に起きた東日本大震災の際にも東北地方広域で停電が発生しました。東北の3月はまだ真冬同然ですので、石油ストーブが大活躍したという記事がありました。石油ストーブは燃料となる灯油さえあれば、停電した時でも暖房することができます。

また、コンセントが近くにない倉庫やガレージでも好きな場所に持って行って使うことができます。最近では、アウトドア向けとしても人気で、冬のキャンプでテントの中で使用するという方も急増しています

防災用の備蓄として、一家に1台石油ストーブを持つことをおすすめします。いざという時に必ず役に立つ暖房器具です。

簡単な調理ができる

石油ストーブは熱を利用して簡単な調理が可能です。これが防災用として重宝される理由の一つです。暖房しながらお湯を沸かせたり、お餅を焼いたりすることができます。昔、おばあちゃんの家で石油ストーブの上で焼いたお餅やお芋を食べたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、お鍋などの一度作った料理を冷めないように石油ストーブの上に置いておくという使い方もあります。冬は調理の補助としてキッチンに設置している家庭もあります。

ただし、鍋やヤカンを石油ストーブの上に置くこと自体はメーカーとして保証している使い方ではありませんので、自己責任という形になります。

音が静か

石油ストーブは自然の対流で灯油を燃焼しているだけですので、強制的な燃焼音や運転音はほとんどしません。燃焼中でも限りなく無音に近いです。

対して、石油ファンヒーターは送風ファンが回転していたり、電磁ポンプで灯油の流量を調整していたりしますので、常に運転音がします。運転時の騒音が気になる方に石油ストーブはおすすめです。

◎石油ストーブの特徴やおすすめモデルについては他の記事にもまとめていますので、気になる方はご参照ください。

おすすめはどっち?

どちらを選ぶか

石油ファンヒーターと石油ストーブのそれぞれの特徴を簡単に紹介しました。お分かりのように、使用目的・使用用途によって使い分けることが最善だと思います。両社それぞれに魅力があるからです。今はとりあえずどちらか一つが欲しいという方の為に、どんな人にどちらがおすすめなのかを紹介します。

石油ファンヒーターがおすすめな人

石油ストーブよりも石油ファンヒーターがおすすめな人は以下になります。

石油ファンヒーターがおすすめの人
  • 部屋を速く暖めたい人
  • メインの暖房として使いたい人
  • 小さい子どもがいる家庭
  • 賃貸住宅にお住みの人

リビングや居間のメイン暖房器具として使うのであれば石油ファンヒーターが最適です。速く広い範囲を暖めることができますのでおすすめです。

小さい子どもがいる家庭も、石油ストーブより石油ファンヒーターの方が安全性に長けています。石油ストーブは、うっかり上面の熱い部分を触ってしまって火傷してしまう可能性があります。

また、賃貸住宅にお住まいの方についても石油ファンヒーターが良いでしょう。石油暖房機器が使用できる賃貸であることが前提ですが、石油ファンヒーターの方が誤使用による火災を招くリスクが極端に低いです。さらに灯油の臭いも少ないです。石油ストーブは点火時と消火時に灯油の未燃ガス臭がします。

石油ストーブがおすすめの人

石油ファンヒーターよりも石油ストーブがおすすめな人は以下になります。

石油ストーブがおすすめの人
  • 車庫や倉庫で使う人
  • 調理の補助用として使う人
  • 温風が嫌いな人
  • 騒音が気になる人
  • 防災用として備蓄したい人

リビングだけでなく、車庫や倉庫などに持っていって使いたい場合は石油ストーブがおすすめです。コンセントの場所に左右されず、好きな場所で使用することができます。

また、台所で使用する場合には補助調理用として活躍します。お湯を沸かしたり、鍋を暖めたいという思いがある方は石油ストーブがおすすめです。

意外にも多いのが、温風が嫌いという人です。石油ファンヒーターに限らず、エアコンやセラミックファンヒーターなども温風を吹き出します。これらのような温風が苦手な方には石油ストーブが良いと思います。風は出さず、じわじわと部屋全体を暖めてくれます。

そして、停電などの災害時の為に備蓄したい方は今すぐ購入しましょう。大規模な停電が起きた場合でも、灯油は意外にもガソリンスタンドやホームセンターなどどこでも手に入ります。備えあれば憂いなしです。

まとめ

日常的に石油暖房機器を使用している人にとっては意外に思うかもしれませんが、石油ファンヒーターも石油ストーブも使ったことが無いという人も多くいます。

住んでいる地域の気候的に使用する必要が無い人、昔からガスや電気を使った暖房機器を使用してきた人、石油暖房機器を使えない賃貸住宅に住まれている人など、身近に使用している人がいなければ知らないのも無理はないです。

しかし、石油ファンヒーターや石油ストーブの良さは使ってみなければ分かりません。特に石油ストーブは古くからある暖房機器ですが、最近になって電気を使わないことが改めて注目されるようになり、防災製品としての地位を確立しました。私には時代が一周して戻ったような感じがします。

ぜひ、この機会に石油ファンヒーター・石油ストーブの特徴を知って頂き、自分の生活に必要なものなのかどうか考えてみてはいかがでしょうか。

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